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「コスメキッチン」が「リサとガスパール」とコラボで絵本発売 共感で広がるサステナビリティ推進への取り組み

 マッシュビューティーラボが展開するオーガニック化粧品のセレクトショップ「コスメキッチン」は、フランス生まれの人気キャラクター「リサとガスパール(Gaspard et Lisa)」とのコラボ商品を17日に数量限定で発売する。化粧品や雑貨など9アイテムのほか、描き下ろしによるオリジナル絵本「リサとガスパール ちきゅうを すくう」を全国の「コスメキッチン」約70店舗で販売する。同企画は「リサとガスパール」の作者であるアン・グットマン(Anne Gutman)とゲオルグ・ハンスレーベン(Georg Hallensleben)夫妻が、「コスメキッチン」の「サステナブルライフを日本中に届け、人々をハッピーにする」という理念に共感したことから実現した。今回のコラボレーションの狙いと、また多くのブランドとコラボする意味、さらにはサステナビリティ推進への思いを小木充副社長に聞いた。

WWD:「リサとガスパール」とのコラボまでに至る経緯は?

小木充マッシュビューティーラボ副社長(以下、小木):7年ほど前に「コスメキッチン」がまだ20店舗ぐらいだったころ、オーガニックコスメの現在のようなポジションが確立されていない中で、より多くの人に手に取ってもらうのにキャラクターとのコラボは面白いと思っていました。縁があって漫画「ピーナッツ」のキャラクター、スヌーピーとコラボできることになり、日焼けしたスヌーピーをパッケージにプリントした「コスメキッチン」オリジナルのUVクリームを作ったのがスタートです。それが瞬く間にヒット商品になりました。初めはキャラクターがかわいいからと入ったお客さまも、「コスメキッチン」っていうオーガニックコスメのショップが作っているらしい、使ってみると処方はナチュラルで肌にやさしい優れもの、「これは何だ?」となり興味を持ってもらえる層が広がりました。

WWD:キャラクターを使ったビジネスはそこからどのように広がったか?

小木:マッシュホールディングスのコーポレートスローガンが“ウェルネスデザイン”を掲げていることから、本国と直接契約で「ピーナッツ」のウェルネスラインを作ろうという話になり、化粧水やリップクリーム、ハンドクリーム、ファブリックスプレーなどのライフスタイルアイテムも作って販売しました。5年ぐらい前から、日本国内でマスターライセンスを持つソニー・クリエイティブプロダクツを経由する契約に切り替わり、「コスメキッチン」の中でも人気商品として「ピーナッツ」とのコラボ商品を展開してきました。そのソニー・クリエイティブプロダクツがライセンスを持っているキャラクターの中に「リサとガスパール」があったんです。

作者のパリのアトリエを訪れその場でコラボが実現

WWD:「リサとガスパール」とのコラボの狙いは?

小木:さまざまなキャラクターを考えましたが、作者が存命でパリに住んでおり、「コスメキッチン」は“パリの女の子の部屋”というコンセプトからスタートしているので縁がありましたし、作者に直接思いを伝えられることも魅力でした。絵本を描き下ろしてほしいと依頼したのが3年ぐらい前。そして去年の5月に直接会うことができました。自宅兼アトリエを訪問してプレゼンテーションの時間をいただき、マッシュビューティーラボがどういう会社でグループがどういう思想を持っているかを話しました。オーガニックコスメを取り扱う根底にはサステナブルやエコロジカルを重視する考え方があるという話をしたらすごく共感してくださって、創作意欲が湧くと言っていただきその場で話が進みました。ストーリーのテーマは「地球を救う」。一枚一枚描き下ろしによる絵本となりました。

WWD:モノ作りの姿勢や目的は一貫していて、今回のコラボもオーガニックライフを伝える方法の一つとして展開している。

小木:今の消費者は商品を検索するときにどんな会社が作っているのか、コーポレートスローガンは何か、ビジョンがある会社かまで調べて、その後購入することが増えてきています。ホールディングスの“ウェルネスデザイン”やマッシュビューティーラボの“オーガニックライフを世の中に広める”というビジョンと、プロダクトがイコールになっていることがブランディングとして大切なことです。“ウェルネスデザイン”とは本質的な健康を見極めながら「人々がより笑顔でいられる」ための商品・サービスを提供することをうたうスローガン。その基準に合わないモノ作りや販売サービスをしない真面目さが重要になります。「コスメキッチン」が16年目、マッシュビューティーラボが10周年となる節目の年に、思想や企業理念を体現するコラボ企画が実現しました。

WWD:コラボ商品はどのようなラインアップか?

小木:自社で作ったものと、われわれが得意としてきたセレクトショップとして取引のあるメーカーにも商品を作っていただきました。子どもと一緒に使えるという切り口で「メイドオブオーガニクス(MADE OF ORGANICS)」の喉スプレーや、「ママバター(MAMA BUTTER)」のハンドクリームを、今回のコラボために特別なフレーバーや香りで作っていただきました。また「コスメキッチン」で定番人気の「ナリン(NAHRIN)」のハーブオイルのほか、「ヴェレダ(WELEDA)」は本来キャラクターコラボがNGのところを、企画主旨に賛同してくださりバスミルクセットのコラボが実現しました。自社では、販売実績のあるマルチユースのバームスティックや、ファブリックスプレーを作りました。また絵本のストーリーがエコロジカルを意識した、ごみを出さない、容器の詰め替え、無駄にしないといったことをテーマにしているので、100%海洋プラスチックごみから作られた糸を使った“サスティナバッグ”、燃やしたときの二酸化炭素排出量が従来の半分以下に削減できるポーチも作りました。

環境を考えてアクションを起こすきっかけを作るのが使命

WWD:エコロジカルやオーガニックライフに対する共感の輪が、企業側にも消費者にも広がっている。「コスメキッチン」が目指すゴールは?

小木:欧米で先進的にオーガニックライフを実践する人に「サステナブルって何ですか?」と聞くと「そこにある空気や水のようなもの」と返ってきて、そのぐらい当たり前に浸透しています。それに比べると日本はまだまだ環境意識が低く、自分事としてとらえることが少し遅れていると感じます。ですが今後、7月1日から始まったレジ袋有料化でサステナブルな商品を選ぼうという意識は加速し、その商品がどのように作られて何でできているのかを知って選ぶことが、アイデンティティに関わるようになっていくと思います。ウィズコロナ、ニューノーマルというふうに生活が変わっていく中で、シンプルライフを求める人が増えるでしょう。外食が減った分、家庭でごみをどう減らすかにも意識が向いていくと思います。4月から「コスメキッチン」では空き容器回収プログラム「リサイクルキッチン」を始めたのですが、これがなくなるのが最終的なゴールだと思っています。容器をどこに捨てても土に還るぐらい容器の改善が進むことです。もう一つはショッパーを店頭に置かず、お客さまが持ってきたエコバッグに商品を入れられるようになること。欧米でもその水準になっているところはまだないので、ゴールまでの道のりは非常に遠いです。

WWD:今回のコラボのような形を通してサステナビリティの取り組みを広げていくのか。

小木:どこの企業も大量生産・大量消費に限界を感じ、環境問題に対して危機感を持って経営していると思います。どんなアクションがいいのかと突破口を探しているところも多い。そうした企業やサステナビリティに対する思いでつながる人たちとの取り組みがもっと増えたらいいと思っています。マッシュビューティーラボでは、ごみを減らすことを自分事として考えるきっかけをさまざまな形でお客さまに提供していきます。