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ベイクルーズが手掛ける「オリエンス シブヤ」は若手社員の“やる気”に満ちた店

 ベイクルーズグループのZ世代に向けた新ブランド「オリエンス ジャーナルスタンダード(ORIENS JOURNAL STANDARD、以下オリエンス)」は3月20日、渋谷・神南にショップ「オリエンス ジャーナルスタンダード シブヤ」をオープンした。メンバーはコンセプターの櫻井花ノ子(24)、プレスの大澤萌夏(25)、MDの長谷川アルファ(23)、VMDの五月女翔(26)の初期メンバーに、ショップスタッフとして前坪茜(25)と古川元気(27)が加わった6人。全員が初めての店づくりとなる。

 新型コロナ禍で自粛ムードの中、静かなオープニング(当面は臨時休業)となったが、「想像以上にバタバタだったけど、自分たちでできることは全部自分たちでやった。ネガティブではなく、文化祭の前日みたいな気分で取り組めた。プレッシャーよりも期待に応えたいという気持ちでメンバー全員が一致団結している」と、大澤プレスは希望に満ちた様子だ。店内は1階と地下1階の2層で、地下1階の半分にはプレスルームと事務所機能もそなえる。“中と外の境目をなくす”をテーマに、道路標識やガードレールなどをディスプレーした。五月女VMDは「スタッフの多くは、洋服に興味を持ったきっかけがストリートやSNS。コレクションやランウエイなどファッション業界の中で行われていることではなく、外で行われていることだった。そういう人たちが選んだものがどういった空間で映えるかを考えた」と説明する。

 オープンを迎え、ショップスタッフとして加わった前坪は社内公募で選ばれ、古川は同業他社からの転職。「前職は看護師。転職したタイミングで社内公募があり、ぜひやりたいと思って応募した。『オリエンス』は同世代で意見を出し合えている」(前坪)、「外から見ているとベイクルーズにはやりたいことに対して貪欲なイメージがあった。前の職場というよりも、普通はそれがなかなかできないことなのではと思う」(古川)。

 ベイクルーズグループの杉村茂社長は「どこかのブランドに配属されて数年経つと、自分たちの同世代のファッションではなく、急に大人っぽくなってしまう。だから“染まらないうちに”という考えがあった。『オリエンス』にはもちろん期待をしているが、だからといってすぐに売れるかどうかは分からない。当然、売れない可能性も高い。でもそこからどう修正し、そのためにどう苦労してエネルギーを使うかを、この年代で勉強してほしい。今はさまざまな仕組みや部署があり、どこかに頼るのが基本だが、自分たちで全部やれば全体が見えてくる。私自身も30年以上前からベイクルーズブランドに携わるが、みんな失敗をしながら成長してきた。今後も新規ブランドなど、次世代の若者たちに裁量を与え、投資してきたい」と話した。

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