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大義はゴールじゃない。手段だ!! エディターズレターバックナンバー

※この記事は2019年10月21日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

大義はゴールじゃない。手段だ!!

 このエディターズ・レターで何度もお話ししてきた「ダイバーシティー(多様性)」や「インクルージョン(包摂・包括性)」、加えて「サステイナブル(持続可能性)」について、改めてお話させていただきます。

 「ダイバーシティー」を目指すのは、ハッキリ言って間違えています。「サステイナブル」をゴールにするのは、キケンです。

 「なんだって、ムラカミ!お前が、その価値を説いたんじゃないか!!」と怒り心頭の皆さま、お待ちください。これらは価値観としてメチャクチャ大事という気持ちは、今なお変わっておりません。ただ「ダイバーシティー」や「インクルージョン」「サステイナブル」は、ゴールではないのです。どちらかと言えば、ゴールにたどり着くための手段なのです。

 たとえば「ダイバーシティー」や「インクルージョン」は、多様化した社会に対応すべく会社や組織、ブランドを多様化するための手段であり、この場合のゴールは「多様化した社会で生き残ること」もしくは「多様化した社会で儲けること」。「ダイバーシティーな組織になること」は手段、もしくは過程です。「サステイナブル」も同様です。ゴールは「環境意識が高まっている社会で生き残ること」だったり「私たちの地球を守ること」。「サステイナブルなブランドになること」じゃないのです。特に「サステイナブル」については、キケンなニオイが漂いますね。みなさん、まさか「サステイナブルなブランドなら、売れる!!」って勘違いしてないでしょうね?消費者は「サステイナブルだから買う」のではなく、「サステイナブルなブランドの考え方や行動に共鳴するから買う」のですよ。ご用心です。

 生真面目な日本人、そして正直、ビジョンを描くことが苦手だったり発起人の思いが直接伝わりづらい組織に属していたりの人間は、時に目標と手段を履き違え、「アレ?一体、なんのためにやってるんだっけ?ま、いっか」という事態に陥りがちです。こうなると、組織は非常に危険です。目標とズレた行動、目標を見失った考えが増えると無論結果には繋がらず、本人のモチベーションはダウン。周囲の理解も得づらくなって、当初は意義ある価値観を伴っていたはずのアクションは終息に向かってしまいます。また、「生き残ること」「儲けること」「地球を守ること」をゴールとせず、「ダイバーシティー」や「インクルージョン」「サステイナブル」という言葉が先行しがちなビジョンは、“自分ごと化”しづらいがゆえに賛同を得づらく、ハナっから大きなムーブメントにならないこともしばしばです。

 こんな“大義の履き違え”、いろんなところで起こっていそうですね。ほとんどの場合、素敵な言葉で語られる大義はゴールではなく、理想の社会やビジネスにたどり着くための手段であるような気がします。

 流行りの「構造改革」も、下のリンクで20代のOLがズバッと切り込んでいる通り、ゴールではなく、手段であることを肝に銘じないとトンチンカンなことになりますよ。

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