
花王は、中東情勢を受けた原材料調達や物流コスト上昇への懸念が高まる中、強みとする統合サプライチェーンを生かし、製品の供給体制を維持する考えを示した。2026年1〜3月期決算説明会で、根来昌一代表取締役専務執行役員経営財務ユニット統括は「年内の製品供給計画は確保できる見通し」と説明した。成長投資を継続する方針で、通期連結業績予想は据え置いた。
安定供給に向けては、代替原料の活用や処方変更に加え、グローバルネットワークを生かした調達体制、サプライチェーンマネジメント(SCM)データベースを活用した生産・供給管理、ブランド力と自社販売網を生かした価格対応などを進める。さらに、ケミカル事業とグローバルコンシューマーケア(GC)事業を併せ持つ一体型ビジネスモデルにより、原料調達から製品供給までを全体最適で運営できる点を強みに挙げた。
一方、ケミカル事業では、今後想定される原料価格の上昇に対し、価格転嫁を含めた対応を検討しているという。
同社の26年1〜3月期業績は、売上高が前年同期比6.0%増の4132億円、営業利益が同45.3%増の449億円、純利益が同35.7%増の309億円だった。化粧品事業の売上高は同7.9%増の629億円、営業利益は21億円の黒字(前年同期は6億円の赤字)となった。国内では「キュレル(Curél)」「ケイト(KATE)」「ソフィーナIP(SOFINA iP)」など注力ブランドの新製品がけん引。中国では「キュレル」、タイでは「カネボウ(KANEBO)」や「ケイト」が伸長した。
通期業績は据え置く。売上高は前期比3.6%増の1兆7500億円、営業利益が同11.3%増の1820億円、純利益が同8.3%増の1300億円の増収増益を見込む。