「ルメール(LEMAIRE)」が公開したホームオブジェクト・コレクション「オブジェ・サントゥール(OBJECTS SENTEUR)」のキャンペーンビジュアルが中国で物議を醸している。問題となったのはリネン製の編み紐“トレス(Tresse)”で、ハンガーに掛けて使用することで衣服や収納空間に香りが広がるというアイテムだ。これが清朝時代風の長い編み髪(辮子)を想起させ、歴史的な象徴の扱いの適切性や、「不気味な演出」への疑問を呈する中国のネットユーザーから批判された。
SNS「小紅書(RED)」に投稿された、「長年の『ルメール』ファンとして、辮子アクセサリーとその見せ方、とりわけハサミの横に置かれたものを見たとき、完全に失望した。不快に感じる文化的コンテンツに出会ったときは、自分の直感を信じるべきだ」「これほど文化的な教養のあるブランドが、なぜ中国のローカルコンサルタントを雇う予算すらないのか」という意見には、4月26日の時点で「小紅書」と「TikTok」を合わせて1万1000件超の「いいね」が付いたという。なお当該の商品は、今年が午年であることを踏まえ、春節に合わせて同ブランドが発表した“ホース・コレクション”に呼応しているが、その際も馬のたてがみを三つ編みにしたものをバッグの近くに置いたビジュアルが波紋を呼んでいた。
「ルメール」は今回の騒動の後、コメント欄を無効化し、SNS上の投稿を削除。「“トレス”は、“オブジェ・サントゥール”コレクションにおける素材・質感・形状の探求の一環として開発された。しかし、この文脈での表現は十分に熟慮されておらず、懸念や不快感を招いたことを認識している」と声明を発表した。さらに、「当社は常に文化的尊重、理解、誠実さをもって各プロジェクトと創作に向き合っている」とし、「特定の文化に言及したり、不快感を与えたりする意図は一切なく、そのような結果は当社の価値観に沿わない」「特に多様な文化的視点や感受性を踏まえ、この作品がどのように受け取られ得るかを検討するうえで、十分な配慮を欠いていたことを認める」「中国のオーディエンスからの思慮深いフィードバックに心から感謝し、文化的感度のレビュー体制をさらに強化する重要な機会として受け止める」と述べた。
同様の声明は中国語と英語で「インスタグラム」のストーリーズにも掲載されたが、「インスタグラム」は中国で閲覧することができない。さらに、24時間で消える一時的な形式で投稿したこと自体に対しても、ファンから否定的な反応が広がった。
今回の騒動は、「ルメール」が上海で過去最大規模となる旗艦店をオープンし、中国事業の加速に乗り出したばかりのタイミングで発生した。