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アダストリアの次の200億円ブランド「レプシィム」、急成長のワケ

アダストリアの「レプシィム(LEPSIM)」が売上高200億円へ王手をかけている。2026年2月期の売上高は172億円(前期比15.7%増)。同社の中では「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」の538億円、「ニコアンド(NIKO AND...)」の378億円、「ローリーズファーム(LOWRYS FARM)」の242億円、「スタディオクリップ(STUDIO CLIP)」の239億円の基幹4ブランドに続く規模だが、2ケタの伸び率で最も勢いがある。好調の背景には何があるのか。

「レプシィム」は2006年にスタート。00年代後半の森ガールブームで軌道に乗ったものの、ブームの収束と共に売上高は落ち込んだ。10年代後半に、現バズウィット社長の山田久仁氏らがテコ入れを図り、カジュアルモードにシフト。ショッピングセンター(SC)にはないテイストが目を引き、売り上げが大きく伸びた。出店も相次いだ。しかし、コロナ禍で再び低迷した。20年度末に126あった店舗は、23年度末には112まで減少していた。

23年に荒木浩一現部長が着任した。「ブランドに波があるのは当然のこと。もう一度立て直せる自信があった」。まずは商品を変えた。「速乾性」「伸縮性」など機能性に代わり、ファッション性を前面に出した。自社EC「アンドエスティ」でのアイテムの撮影方法もアップデートした。これまでボトムスであれば下半身のみを掲載していたが、全身も掲載するようにした。スタイルそのものを訴えるためだろう。すると、事前予約が付くようになった。こうしたテコ入れが、売上高50%増(着任当初比)の土台となった。

荒木部長が着任してから、インラインを増やした。マタニティラインに加え、キッズラインとペットラインを拡充した。「ペットへ惜しみなくお金を使う(私の)妻を見て、絶対にいけると思った」。「オン・オフを問わない」が売りのオフィスラインも好調だ。「オフィスラインは20代と40代に売れている。20代は働き出すころで、40代は働きに戻るころだから」。子育て中の30代にはオフィスラインは売れない。でもマタニティラインやキッズライン、さらにペットラインがある。どのライフステージにいても、手を伸ばしたくなる商品をそろえる。実際に、20〜50代へと顧客層が広がった。

「レプシィム」のカリスマ店員には追っかけがいる

「レプシィム」の成長はカリスマ店員なくしては語れない。10万を超えるフォロワーを持つ販売員が3人おり、販売員のSNS総フォロワー数は同社トップの120万を抱える。トップ層にはママさん販売員が多く、同じライフステージにいる顧客に慕われている。イベントに顔を出すことも多い荒木部長も、顧客の間ではすっかりお馴染みの存在だ。「この商品のサイズを増やしてほしい」「これを復刻してほしい」「うちの近くに出店してほしい」といった声に、部長自ら耳を傾けている。実際に、4月24日にオープンしたららぽーと富士見店への出店は、顧客の声がきっかけだった。SNSで事前知識を身に付けられるため、決定率や回転率も上がった。

越谷レイクタウンで開催したマルシェにも、多くの顧客が立ち寄った。フォトスポットで推し販売員とツーショットを撮る人、新店のオープンやイベントで配る販売員カードにサインしてもらう人、販売員のチャーム“レプスタチャーム”を買う人──思い思いに楽しんでいた。「レプシィム」の販売員と顧客の関係は、推しとファンの関係に近い。イベントごとに色を変える販売員カードのコンプリートを目指して遠征する人がいる。マルシェ当日、一部の“レプスタチャーム”は昼頃には完売した。

現在はイオンモールやゆめタウン、ららぽーとなど郊外のSCを中心に出店している。コロナ禍で退店したSCへのリベンジも果たした。しかし、売上高200億円の大台に乗るため、今後の出店戦略はあえてリズムを変える。「ファッションビルへ出店したい。坪数が限られる中、MDを変えながら挑みたい。オフィスラインはファッションビルでも戦える。狭くても売れると証明したい」。一方、SCは100坪を超える大型店に目を向ける。インラインやコラボコレクションなど、コンテンツを盛り込む。

「全都道府県へ出店するのがちょっとした野望」と荒木部長。現時点で未進出の福島県、和歌山県、鳥取県、高知県への出店も話が進んでいる。「正直なところ、新客の獲得はやや鈍化している。だから待つのではなく、こちらから出向きたい。来月は高知県でポップアップを開催する」。こうした思いもあり、20周年のテーマには「あいにいく」を掲げた。2026年2月末時点で119店の店舗を、27年2月末までに127店、28年2月末までに138店まで増やす。

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