ワイルドなイメージのレオパード柄をドレッシーにまとうスタイリングが盛り上がってきました。グラマラスなトレンドを反映した華やかな着こなしが広がり、表現の幅も一段と広がりを見せています。
例えば「サンローラン(SAINT LAURENT)」は、未来的な透明パテント素材を重ねることで、アニマルな印象を艶やかにトーンダウンしました。レオパードに定評のあるブランドならではのアレンジです。今回は、上品でエレガントなムードにひねりを加える提案が相次ぐ、ネクスト・レオパードルックをピックアップしました。
ウエスタン×レオパードの共鳴
インパクトの強いレオパード柄には、同じくアイキャッチーなアイテムを合わせるのが好相性。視線が分散されることで全体が中和され、適度なバランスを保ちやすくなります。単体では取り入れにくいアイテムも、スタイリングの中で自然に映る点が大きなメリットです。
「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)」のルックは、レオパード柄のアウターが主役。ロングフリンジをなびかせたウエスタン風のアレンジで、存在感を際立たせました。インナーにはブラトップを重ね、程よく素肌をのぞかせました。ブラトップが主張しすぎないのは、レオパード柄のおかげ。足元はニーハイソックスとロングブーツを合わせ、スパイシーにまとめています。
小ぶりサイズで、穏やかにまとう
大ぶりのレオパード柄は主張が強くなりがちですが、モチーフのサイズを小さくすれば、ぐっと穏やかな表情に変わります。着用シーンが増えるのも、“プチ・レオパード”ならではの魅力です。
コートとパンツのセットアップを提案したのは、「エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMANI)」。一見シックな小紋柄に見えて、実はレオパード柄という仕掛けです。軽く起毛させた素材がレトロなムードを醸し出し、パンツの裾はロングブーツにインして表情をプラス。ベレー帽で、ノスタルジックな雰囲気を添えました。
主張を抑えた、知的なレオパード使い
ワイルドなイメージの強いレオパード柄を、エレガントに落とし込むのが今シーズンのスタイリングです。アウターやパンツといったボリュームの多いアイテムを避け、控えめに取り入れると主張を抑えられます。ウエアに限らず、小物や靴で効かせるのもスマートな取り入れ方です。
「ケイト(KHAITE)」は、黒の半袖シャツにレオパード柄のビスチェをレイヤードしました。ボディーから浮かび上がる立体的な構造にクチュール感が漂います。ハンサムな黒パンツを合わせてレオパード柄をシックに引き立て、レザーのロンググローブでレディーなムードを添えることで、Tシャツスタイルを格上げしています。
黒と小物で導くエレガントなバランス
ミニマルな装いとアニマル柄は相反するムードに思われがちですが、くどさを抑えたレオパード柄なら適度なアクセントをも添えてくれます。シンプルなルックに黒系のトーンでまとめるのが上手な整え方です。
「ヌメロ ヴェントゥーノ(N°21)」は、シンプルな黒ニットトップスで大人のミニマルルックを印象付けました。肩や袖にゆとりを持たせたボリューム感が、落ち着いたシルエットを演出します。スカートにはこぶりなレオパード柄を配し、上下のコントラストを強調。上品なバッグとシューズを合わせ、エレガントにまとめています。
全身で放つ、パワフルな存在感
パンチの効いたレオパード柄を大胆にまとうなら、ファーなどのアウターが絶好の落としどころです。全身を包むロングコートなら面積も広く、柄の存在感をしっかりと主張できます。堂々と振る舞う着こなしが、装いにパワーをもたらします。
「ヴァケラ(VAQUERA)」のファーコートはボリュームたっぷりで、リッチな印象を放ちます。全身を包むシルエットは、装いに安心感をもたらす“プロテクション”のトレンドにもマッチしています。アニマルモチーフならではの強いキャラクターをまとうスタイリングは、今の時代感覚にもなじみます。
レオパード柄は定番モチーフとして進化を重ね、多彩なデザインや着こなしが提案されています。ドレッシーにもパワフルにも振れる表現がの幅が広がった今こそ、その魅力を再発見するチャンスです。