ファッション

注目度急上昇の「ハウス ノーウェア ソウル」 フロア全貌と日本上陸の新作をチェック

ジェントルモンスター(GENTLE MONSTER)」や「タンバリンズ(TAMBURINS)」などを展開するアイアイコンバインド(IICOMBINED)は、自社傘下の5ブランドと本社機能を集約した「ハウス ノーウェア ソウル(HAUS NOWHERE SEOUL)」を、韓国・ソウルの聖水(ソンス)エリアにオープンした。

同社が手掛ける実験的リテールプロジェクト「ハウス ノーウェア」のコンセプトは、その名の通り“どこにも存在しない空間”。従来のリテールの固定観念を覆し、“Future Retail”のあり方を空間マーケティングや商品構成などを通じて打ち出してきた。これまでにソウル・新沙洞の「ハウス ノーウェア ドサン(HAUS NOWHERE DOSAN)」、中国・上海、深圳に出店しており、今回のソウル店は4店舗目となる。

“戻ってきた未来”をテーマにした「ハウス ノーウェア ソウル」は、地下5階・地上14階建て。設計は韓国のデザイン事務所ザ・システム・ラボ(The System Lab)が担当した。外観は打ち放しのコンクリートを基調に、低層部は流麗な曲線を取り入れ、中層部より上は直線的な構造が際立つ。ブルータリズム建築を再解釈した斬新なデザインは、オープン前からSNSを中心に話題を集めていた。

1〜3階には「ジェントル モンスター」「タンバリンズ」「アティシュ(ATIISSU)」に加え、新ブランド「ヌフラット(NUFLAAT)」が集結。5階には「ヌデイク(NUDAKE)」の新業態「ヌデイク ティーハウス(NUDAKE TEAHOUSE)」が入る。その他のフロアは、アイアイコンバインドの新オフィスとして活用する。


全フロアに巨大インスタレーション
ブランド世界観を凝縮した圧巻の構成

オープニングイベントでは、日本メディアも招いて内覧会を行った。ブランドの個性を反映した空間演出や見どころをフロア別に紹介する。

1F プロジェクトスペース
13mの巨大ダックスがお出迎え

1階はプロジェクトスペースで、定期的に各ブランドのプロモーションを展開する。現在は「タンバリンズ」の新パフュームコレクション“サンシャイン”のポップアップを開催中だ。

エントランスを抜けると、眠るように横たわる全長13メートルの巨大なダックスフント“サンシャイン オブジェ”が目に飛び込む。胴体は呼吸しているかのように上下し、耳も時折ぴくりと動く。アイアイコンバインドのラボチームがアニマトロニクス技術を駆使して制作した渾身の作品だ。スクリーンでは、ストレイキッズ(Stray Kids)のフィリックスを起用したキャンペーン映像も上映。さらに、AI技術を導入したフォトブース「サンシャイン AI ツイン ルック」も設置し、来場者と同じスタイリングに変身したダックスとのツーショットが撮影できる。オブジェ、映像、体験型の仕掛けが一体となり、フロア全体で“サンシャイン”の世界観を堪能できる。

夢を追うすべての人に向けた新作“サンシャイン”。午後の陽射しの中で眠る子犬のダックスフントを着想源に、夢の中で森を駆け抜ける姿を2つの香りに落とし込んだ。ガイアックウッドとムスクを調和させた“サンシャイン”は、アンジェリカが咲き誇る森を駆け回る子犬の姿を思わせる香り。“パピー”は、眠る子犬の吐息からふわりと漂うシリアルの香りを、フレッシュなブルーカモミールにルミナスアルデヒドとウッディノートを重ねて表現した。ラインアップはパフューム3サイズ(50mL、45mL、11mL)をはじめ、パフュームシェルやキャンドル(900g、260g)まで幅広い。日本では9月19日に公式オンライン、20日に全店舗でローンチする。

2F ジェントルモンスター
作品のテーマは“未来人の遺跡”

2階は「ジェントル モンスター」の常設店だ。フロア中央には“未来からやってきた遺跡”をイメージしたコンクリートの球体が、一定のリズムで動きを繰り返す。その奥には、銀座フラッグシップにも設置されている2体の巨人“ジャイアント・ヘッド キネティックオブジェ”が鎮座し、圧倒的な存在感を放つ。店内には、盾を現代的に再解釈したブリッジが特徴の新作“2025 BOLD”や、ブランドを象徴するアイコンコレクションが並ぶ。俳優ティルダ・スウィントン(Tilda Swinton)を起用した“2025 BOLD”のキャンペーンムービーも巨大スクリーンで上映され、未来的な空間演出を一層際立たせている。

3F 注目は新ブランド「ヌフラット」
ヘッドウエア「アティシュ」2号店も

3階は、新たに誕生したテーブルウエアブランド「ヌフラット」、ヘッドウエアブランド「アティシュ」、そして「タンバリンズ」による合同フロアだ。

「ヌフラット」は“Dress Your Table”をコンセプトに、ファッションと実用性の境界を越えたアートピースのようなテーブルウエアを提案する。ファーストコレクションの“ネイルコレクション”は、指を添える位置に赤いネイルチップをあしらった、遊び心あふれるデザインが特徴だ。他にも、持ち手部分がビスケットになったカトラリーや革靴型のミートハンマー、リップスティック型のオープナーなど、ユニークなアイテムを幅広く展開する。

今年5月にデビューした「アティシュ」は、狎鴎亭(アックジョン)の1号店に続き、早くも2号店をオープンした。未踏の地を切り拓いてきた旅人の軌跡を着想源とした新ライン“トラッカー”コレクションも同時に披露。キャップとニットの組み合わせや、ヘッドウエアにグローブやスカーフを合わせた、20種類以上のデザインを展開する。そのほか、“ストッキング”コレクションや、フィリックス着用でSNSを賑わせたニット帽などもラインアップ。店内には“トラッカー”キャップをかぶったキングコブラのインスタレーションが設置され、空間に迫力を添えている。

一角に常設する「タンバリンズ」では、リアルサイズの“サンシャイン”がスヤスヤと昼寝をし、ユーモラスで温かみのある空間を演出する。新作に加え、全コレクションを一堂にそろえ、ブランドの魅力を多角的に体験できる。

5F 「ヌデイク ティーハウス」
五感で堪能する“食のアート”

エレベーターで5階に上がると、「ヌデイク」の新業態「ヌデイク ティーハウス」が広がる。紫とライトグリーンを基調とした店内奥中央には、「ジェントル モンスター」のインスタレーションにも通じるオブジェが置かれ、来場者を迎える。提供されるのは、12種のオリジナルティーやティーカクテル、「ヌデイク」らしいアートピースのようなデザート。全て「ヌフラット」のカトラリーでサーブされ、ブランドの世界観が交差する「ハウス ノーウェア」ならではの演出を体感できる。華やかな香りと繊細な味覚のマリアージュが織りなす時間は、食の域を超えたアート体験だ。オープン直後から話題を集め、すでに数時間待ちという噂も。入口にはショップスペースも併設し、「ティーハウス」で提供するオリジナルティーを購入できる。

エミー賞アーティストと協業した
屋外インスタレーション

オープンを記念し、屋外にはエミー賞受賞のコンセプチュアルアーティスト、マックス・ジーデントップ(Max Siedentopf)と協業したインスタレーション“More is More”を設置。多数の黒いビニール袋が膨らんではしぼみ、波のように揺らめく中、その奥には老人が佇み、生き生きとした表情で遠くを見つめる。手にした黄金の袋は、好奇心や発見、思いがけない場所で見い出される美しさを象徴し、人間が内に秘める光や驚き、無限の可能性を表現している。同作は、ソウル・新沙洞、上海、深圳の「ハウス ノーウェア」でも展示される。

◾️HAUS NOWHERE SEOUL
住所:ソウル特別市 城東区 トゥクソム路 433
時間:11:00 ~ 21:00

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