ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)は、新たな最高経営責任者(CEO)として、メンズウエアのセレクトショップ「ジェームズタウン・ハドソン(JAMESTOWN HUDSON)」のトム・メンデルホール(Tom Mendenhall)共同創業者を任命した。2023年12月に就任したアマンディーヌ・オハヨン(Amandine Ohayon)CEOの後任となる。
メンデルホール新CEOは、ユタ大学(University of Utah)およびニューヨーク州立ファッション工科大学(Fashion Institute of Technology, FIT)を卒業後、1985年にニューヨークの高感度セレクトショップ「シャリバリ(CHARIVARI)」でキャリアをスタート。グッチ(GUCCI)などを経て、2006年から17年までトム フォード(TOM FORD)で要職を歴任し、最終的にはエグゼクティブ・バイス・プレジデント兼最高執行責任者に就任。17年から21年までは、ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)で「ポロ ラルフ ローレン(POLO RALPH LAUREN)」などのブランドの社長を務めた。その後、複数の企業で取締役などを務め、24年1月にビジネスパートナーと共に「ジェームズタウン・ハドソン」を立ち上げた。
オハヨンCEOは1998年、当時LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)の傘下だった「クリスチャン ラクロワ(CHRISTIAN LACROIX)」でキャリアをスタートした。翌年、ロレアル(L’OREAL)に転職。18年以上在籍し、傘下ブランド「ランコム(LANCOME)」のプロダクトマネージャーやマーケティング・ディレクターなどを経て、ジェネラルマネージャーとして「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」や「ジョルジオ アルマーニ ビューティ(ARMANI BEAUTY)」などのブランドに携わってきた。2014年にはロレアル リュクス事業のイギリス&アイルランド担当マネジング・ディレクターに昇進。18年に退社し、スペイン・バルセロナを拠点にウエディングドレスブランドを手掛けるプロノビアス(PRONOVIAS)のCEOに就任した。23年12月から現職。
今年1月に再び独立した「ステラ マッカートニー」
ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)は01年、「グッチ」などを保有するケリング(KERING)と50%ずつの出資比率でジョイントベンチャーを設立し、自身のブランド「ステラ マッカートニー」を立ち上げた。18年3月、ケリングの持分を買い戻して独立。その後、19年7月にLVMHとの提携を発表。ステラが過半数株式を保有し、引き続きクリエイティブ・ディレクターを務めつつ、ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼CEOや経営陣へのサステナビリティに関する特別アドバイザーの役割も担っていた。25年1月には、LVMHが保有する持分を買い戻して再び独立しているが、その後もサステナビリティ担当グローバル・アンバサダーとしてアルノー会長兼CEOらへの助言を続けている。
マッカートニー創業デザイナーは今回の人事について、「トムのラグジュアリーブランドにおける豊富な経験は、事業をさらに発展させ、力強い未来を築くために不可欠だ。ブランドのDNAである倫理的な価値観やビジョンも私と一致している。また、『ステラ マッカートニー』がLVMHから離れるにあたり、起業家精神と安定したリーダーシップでチームを導いてくれたアマンディーヌの尽力に深く感謝する。なお、業務のスムーズな引き継ぎのため、彼女はしばらく当社に在籍する」と語った。