ファッション

オンワード樫山「アンクレイヴ」、2025-26年秋冬はシャツとトラウザーを極める

オンワード樫山のD2Cウィメンズブランド「アンクレイヴ(UNCRAVE)」はこのほど、2025-26年秋冬展示会を開催した。

「アンクレイヴ」は20年春夏シーズンにスタートした。オンワードグループの公式EC「オンワード・クローゼット(ONWARD CROSSET)」や「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」「エル・ショップ(ELLE SHOP)」など、他社モールを含むECを主軸に展開している。メインターゲットは30〜40代の働く女性。

転換期となった2024年

25年8月時点で、売り上げは堅調に推移している。しかし、昨年は「アンクレイヴ」にとって転機となる1年だった。立ち上げ当初からクリエイティブディレクターを務めていた東原妙子氏が、24年秋冬シーズンをもって退任したのだ。それに伴い現在はディレクター体制を解き、デザインチーム主導で運営している。

新体制になって初めての秋冬シーズン。「『アンクレイヴ』とは何か」を考え直し、ベーシックなジャケットとパンツのセットアップなど、売れ筋アイテムを強化した。キーワードに据えた“LESS IS MORE(少ないことはより豊かなこと)”は、ブランド名「UNCRAVE(むやみに欲しがらない)」に込めた思いとも重なる。黒沼咲希MDは「働く女性に向け、快適で充実した毎日を“セットアップ”する服を届けたい」と意気込む。

ブランドの節目に際し、今季は「新たなアイコンに」と期待する“ザ・シャツ(THE SHIRTS)”と“ザ・トラウザーズ(THE TROUSERS)”をデビューさせる。どちらも6年間磨き続けてきた「アンクレイヴ」のテーラリングを凝縮したシリーズだ。

“ザ・シャツ”は、“ビッグシャツ”(2万3100円〜2万8600円)や“ドレスシャツ”(2万5300円〜3万800円)、“ボウタイブラウス”(1万9800円〜2万4200円)の3型。すべてオリジナルパターンで製作し、体形を問わず美しいシルエットを引き出す。

“ザ・トラウザーズ”は、“ベーシックトラウザー”(2万900円〜2万6400円)と“ワイドトラウザー”(2万3100円〜2万8600円)の2型。“ワイドトラウザー”は、オリジナルのマーベルト(ウエスト部分の内側に付ける布地のパーツ)が見えるようウエストを折り返し、腰ばきするのが今っぽい。

D2Cブランドを超えて

今回の展示会会場はザ・ハウス・ダイカンヤマ(Za HOUSE DAIKANYAMA)。25年秋冬コレクションの世界観を、重厚な空間の中で表現した。初めて一般客も招待した。「特別な場に招かれた」という高揚感が「ロイヤリティーの向上につながれば」(黒沼MD)と期待する。

ブランドの立ち上げから6年。ポップアップの実績も積んできた。大手百貨店ほか、近年は新宿ルミネなど駅ビルでも開催している。

23年に始まった卸売りは、イーストバイウエスト(石川県)など大都市以外のセレクトショップが中心だ。「ポップアップは東京や大阪で開催することが多く、北海道や東北、九州まで足を伸ばしきれていない。セレクトショップへの卸は、そんな地域に住む人たちと『アンクレイヴ』をつないでくれる」。こうしたリアル販路の増加に比例し、実店舗の売り上げの割合が拡大している。

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