世界最大級のメンズファッション展示会「第109回 ピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMMAGINE UOMO)」が現地時間1月13日、イタリア・フィレンツェのフォルテッツァ・ダ・バッソで開幕した。会期は16日までの4日間。今回は750以上のブランドが参加し、うち海外ブランドは約47%を占める。
今シーズンの「ピッティ」のテーマは「モーション(MOTION)」。会場内にはフランス人建築家・彫刻家のマルク・レシュリエ(Marc Leschelier)によるインスタレーションが設置され、空間そのものが動きのあるアートとして来場者を迎える。展示はドレスクロージング、アウトドア、中韓ファッションなどにフォーカスした5つのセクションで構成。ニッチフレグランスにフォーカスしたエリア「ハイ ビューティー(HI BEAUTY)」を新設するなど、近年注力するライフスタイル提案をさらに強化した。
会期中は、ゲストデザイナーとして大月壮士の「ソウシオオツキ(SOSHIOTSUKI)」やスペシャルイベントとして小塚信哉の「シンヤコヅカ(SHINYAKOZUKA)」らがショーを開催する。また、人工タンパク質素材を開発するスパイバーと、JAFICが国産の優れたモノ作りを認定するブランド「Jクオリティー(J QUALITY)」が協業展示を行うなど、日本のクリエイションとサステナビリティの両面を発信する。
スーツ姿の180人がフィレンツェの石畳を歩く
初日の13日は、スーツを着た人々が街を歩く日本発のイベント「背広散歩」を公式スケジュールで実施。会場を飛び出し、フィレンツェの街全体をスーツ愛好家たちの熱気が包んだ。
日本からは、三越伊勢丹やビームスをはじめとする百貨店、大手セレクトショップや個店など、ドレスクロージングを生業とする関係者有志や現地の愛好家が参加。伊老舗生地メーカーヴィターレ・バルベリス・カノニコ(VITALE BARBERIS CANONICO、以下VBC)がスポンサーに付いた。
イベントは午後2時にスタート。当日は小雨が止まないあいにくの天候だったが、思い思いのクラシックスタイルに身を包んだ約180人は、会場周辺からサンタ・マリア・ノヴェッラ教会までの道のりを練り歩いた。
「背広散歩」はこれまで東京・浅草や大阪などで開催し、海外開催は今回が初。仕掛け人の一人である元ビームスPRの安武俊宏氏は、「コロナ禍でスーツを着る習慣がなくなり、『このままではスーツの文化自体がなくなってしまう』という危機感から始まった」と振り返る。「ビジネスや販促目的ではなく、純粋にスーツを楽しむ場として、SNSなどを通じて輪を広げてきた。ピッティというドレスクロージングの“聖地”での開催は念願だった」と感慨を深めた。
ピッティ・イマージネのラファエロ・ナポレオーネ(Raffaello Napoleone)CEOも、「これまでのピッティの中で最もファッショナブルなイベントの一つ。日本とイタリアの特別な絆を感じる」と称賛。VBCのアレッサンドロ・バルベリス・カノニコ(Alessandro Barberis Canonico)CEOも「日本独自の『セビロ』文化は、伝統と現代的な感性を融合させ、エレガンスが世界をつなぐことを証明してくれた」と語った。