「ディーゼル(DIESEL)」や「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」「ジル サンダー(JIL SANDER)」なども擁するOTBは7月15日、傘下ブランド「マルニ(MARNI)」の新たなクリエイティブ・ディレクターにメリル・ロッゲ(Meryll Rogge)「メリル ロッゲ」デザイナーを指名した。6月に約10年間の任期を終えて退任したフランチェスコ・リッソ(Francesco Risso)の後任となる。
ベルギー・ヘント出身のロッゲは2008年にアントワープ王立芸術アカデミーを卒業後、ニューヨークに移住。「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」でおよそ7年にわたって経験を積んだ。14年にアントワープに戻り、「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」でウィメンズのヘッドデザイナーを4年間務めた後、20年に自身のブランドを立ち上げた。21年にはベルギー・ファッション・アワード(BELGIAN FASHION AWARD)で、新進デザイナーに贈られる「エマージング・タレント・オブ・ザ・イヤー」を受賞。そして24年には、同アワード(BELGIAN FASHION AWARD)で、女性として初めて「デザイナー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた。フランス国立モード芸術開発協会が主催する「ANDAMファッション・アワード(ANDAM FASHION AWARD)」では、やはり24年にファイナリストに選出され、25年にはグランプリを受賞。25年のインターナショナル・ウールマーク・プライズ(INTERNATIONAL WOOLMARK PRIZE)でもファイナリストに選ばれている。
就任に際して、ロッゲは「長年その独立した精神に敬意を抱いてきた『マルニ』に加わることを本当に光栄に思う。先見性のあるクリエイティブ・ディレクターたちによって定義されてきた役割を担うことは、謙遜であるとともに刺激的。レンツォとステファノが私たちの世界観の共鳴を評価し、この非凡な機会を託してくれたことに深く感謝している。『マルニ』のこれからを形作ることに貢献できるのが楽しみ」と話した。
レンツォ・ロッソ(Renzo Rosso)OTB会長は「私たちは多くの優秀な候補者と会ったが、『マルニ』が世界中のクリエイターを引き付け、インスパイアし続けていることを改めて認識した。メリルは、ブランドのDNAを再解釈するために示した感性で私たちを魅了し、アクセサリーやインテリアデザイン、コミュニケーション、スペシャルプロジェクトなど『マルニ』のあらゆる側面をグローバルに包含するコンテンポラリーなビジョンを示してくれた」とコメント。「クリエイティビティーをアイデンティティーの核に据えてきたチームとグループと共に、情熱を持ってこのビジョンを推進する彼女の活躍を祈っている」と続けた。また、レンツォ会長の息子でもあるステファノ・ロッソ(Stefano Rosso)「マルニ」CEOは「メリルを『マルニ』に迎えられて、とても光栄だ。彼女は卓越したクリエイティブな才能とインスピレーションにあふれる女性であり、そのビジョンと専門知識が、この素晴らしいブランドの未来を形作る上で重要な役割を果たすだろう」と述べた。
OTB傘下のブランドではこの1年、デザイナー交代が活発化している。「メゾン マルジェラ」には、「ディーゼル」と兼務する形でグレン・マーティンス(Glenn Martens)が就任。7月9日にパリ・オートクチュール・ファッション・ウイークで “アーティザナル”コレクションのショーを開き、デビューを飾ったばかりだ。また、「ジル サンダー」にはシモーネ・ベロッティ(Simone Bellotti)が着任しており、9月のミラノ・ファッション・ウイークにランウエイデビューを控えている。