
ここ数年、日本でフレグランス市場が急速に盛り上がっている。ニッチブランドの路面店を始め、百貨店などの売り場が拡大。香りを試す20〜30代で常ににぎわっている。2000年代後半はニッチブランドが日本に上陸し始めたとはいえ、一般的には香水も自前の「シャネル(CHANEL)」「ディオール(DIOR)」やライセンスのファッションブランドなどがキープレイヤーだった。ところが、コロナ禍で風向きが変わった。香りに目覚めた消費者の興味は、「ジョー マローン ロンドン(JO MALONE LONDON)」や「ディプティック(DIPTYQUE)」など、香り専門のニッチブランドにも向けられるようになった。Z世代を中心に、SNSでブランドや香りの情報が拡散され、ファッションの一部として楽しむものになり、これらブランドは “メガニッチ”と呼ばれるまで成長した。また、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」や「セリーヌ(CELINE)」「ロエベ(LOEWE)」といったラグジュアリー・ブランドも独自でエントリー商材としてのフレグランスを強化。レザーグッズに手が届かない層へのタッチポイントを作っている。(この記事は「WWDJAPAN」2025年6月23日号付録「WWDBEAUTY」からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)
コロナ禍を経て”鼻の解像度”がアップ
活況のフレグランス市場で各社強化しているのが、プレミアムカテゴリーだ。既存商品よりもこだわったブランドの世界観を香りやパッケージで表現したもので、価格帯は3万〜5万円が中心。それが中心価格帯のプレミアムブランドもあるが、それ以下の価格帯を展開していたブランドがこぞってプレミアム商品に注力している。多くのファッションブランドの香水を手掛けるコティ(COTY)は今年、「ジル サンダー(JIL SANDER)」初のプレミアムフレグランス、「バーバリー(BURBERRY)」のウルトラプレミアムラインを発売。日本市場では7月以降、ディストリビューターから日本法人による直接輸入販売に切り替え、さらなる市場拡大を図る。ニッチでも、「ディプティック」は昨年“レ ゼサンス ドゥ ディプティック”、「バイレード(BYREDO)」は今年ベストセラーを再構築した“ブランシュ アブソリュ”などプレミアム商材を発売し、選択肢の幅を広げている。
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