「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」「ヴァンズ(VANS)」「ティンバーランド(TIMBERLAND)」などを擁するVFコーポレーション(VF CORPORATION以下、VFC)の2025年3月期決算は、売上高が前期比4.1%減の95億469万ドル(約1兆3591億円)、営業損益は前年の1億4393万ドル(約205億円)の赤字から3億377万ドル(約434億円)の黒字に、純損失は9億6888万ドル(約1385億円)から1億8971万ドル(約271億円)に縮小した。
地域別での売上高は、南北アメリカが同6.6%減の48億3350万ドル(約6911億円)、EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)は同2.7%減の32億4850万ドル(約4645億円)と減収。アジア太平洋地域は、同1.4%増の14億2270万ドル(約2034億円)だった。
ブランド別では「ヴァンズ」が苦戦
ブランド別での売上高は、南北アメリカが堅調だった「ザ・ノース・フェイス」が同0.8%増の37億340万ドル(約5295億円)、グローバルで小売りが苦戦した「ヴァンズ」は同15.7%減の23億4940万ドル(約3359億円)、小売りと卸の両方が堅調だった「ティンバーランド」は3.3%増の16億770万ドル(約2299億円)だった。
なお、VFCは24年7月、保有していた「シュプリーム(SUPREME)」を伊アイウエア企業エシロールルックスオティカ(ESSILORLUXOTTICA)に15億ドル(約2145億円)で売却し、取引は同年10月に完了した。同ブランドが属していたその他のブランド部門の売り上げは、同1.6%増の13億220万ドル(約1862億円)だった。
CEOのコメント
四半期別に見ると、25年1~3月期(第4四半期)の売上高は前年同期比4.6%減の21億4377万ドル(約3065億円)だった。アナリスト予想の21億5000万~22億3000万ドル(約3074億~3188億円)を下回ったため、決算を発表した5月21日の株価は前日比15.8%安の12.15ドル(約1737円)となった。
ブラッケン・ダレル(Bracken Darrell)社長兼最高経営責任者は、第4四半期の業績は「ほぼ見込み通り」とコメント。「マクロ環境の不安定さが増しているが、コスト削減やその他のさまざまな対策によって傘下ブランドが成長軌道に戻り、力強く持続的な価値創出ができるものと確信している」と語った。なお、25年4〜6月期(第1四半期)は前年同期比3〜5%減収の見込みだという。