美容医療の普及は「WWDJAPAN」の記事でも何度も取り上げていますが、SNSというチャネルから観測しているといくつか危惧すべきことが起きています。まず、医療の専門的知識が乏しい一般の消費者による不確かな情報発信や、リスクが伴う不可逆的な施術の安易な推奨などです。“バズれば正義”(=多くの人が拡散しているから正しい情報のように見える)という風潮がSNSにはあり、消費者の情報リテラシーを高めること、あるいはクリニックやメディアから正しい情報を発信していく必要があると感じています。
しかし、啓蒙していくべき美容クリニックのいくつかのSNSアカウントが、「あの芸能人はどこを整形しているか医師が解説!」「あの芸能人もここを整形すればもっと可愛くなる!」「こういう顔になりたい人におすすめの整形」など、目を疑うようなコンテンツを発信していました。SNSの普及で若年層のルッキズム問題が深刻化している中、コンプレックスを抱える消費者と日々接していると思われるクリニックが、こうした発信を躊躇いなくコンテンツ化していることにショックを受けました。もちろんクリニックもビジネスですから、SNSでフォロワーを増やす、拡散されることは戦略として必要だとは思います。しかし、「医療」を提供する立場である限りその発信には責任が伴うべきです。
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