ファッション

無観客のTGC 静寂の中で2020年春夏のリアルトレンドくっきり

 「第30回 東京ガールズコレクション(TGC) 2020 SPRING/SUMMER」が東京・国立代々木競技場第一体育館で開かれた。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、同イベントとして初めて無観客での開催となり、開演前には河北麻友子、堀田茜、高橋ひかるら人気モデルの出演中止も発表された。ショーの模様は、LINEライブのTGC公式アカウントほか、一部メディアによるライブ中継を実施した。

 今までにない静けさの中で行われたショーでは、人気モデルたちの手を振ったりウィンクしたりといったファンサービスも少なめ。まっすぐ前を向いてのウオーキングで、視聴者側もスタイリングに集中できた印象だ。

 TGCが提案する2020年春夏のリアルトレンドは、「透け感のある素材使い」がキーワード。メインとなるスタイリストの野口強プロデュースのスペシャルコレクションでは、トップバッターを中条あやみが務め、emma、福士リナ、三吉彩花、新木優子らが続いた。スタイリングは、キリッと見えながらマニッシュすぎないバランスが光った。テーラードジャケット&ブーツには、レースやチュール、オーガンジーなど繊細な素材使いのアイテムを合わせ、さらに花柄やクロシェ編みのニットなど、フォークロア(欧州の伝統民族の衣装テイスト)のロマンチックな雰囲気もミックスさせた。

 「サステナブル&ダイバーシティー」もテーマの一つ。マッシュスタイルラボの「スナイデル(SNIDEL)」の単独ショーは前回に引き続き、壮大な自然の映像と静寂の中でモデルがランウエイを歩いた。果物のようなレッド、土のようなブラウンなどのカラーパレットは、自然の大切さを表現したもの。LGBTや黒人、壮年の女性らをモデル起用することで、人種、年齢、性別なども越境した。「アースミュージック&エコロジー(EARTH MUSIC & ECOLOGY)」、「H&M」もリサイクル素材などを使ったアイテムをモデルに着せてショーを行った。

 そのほか、「ユー・バイ・スピック&スパン(U BY SPICK&SPAN)」や韓国ブランド「イチナナ(17KG)」などがショーに出展した。

 また、今回はライブ中継を生かしたコンテンツとして、人気モデルが控える楽屋への潜入企画やインタビューなどをショーの合間に取り入れた。29日20時時点で、LINEライブの視聴者数は延べ85万人を突破している。

TGC スペシャルコレクション

スナイデル スペシャルステージ

サステナブルステージ

トレンドスタイリングステージほか

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