ファッション

2019-20年秋冬バッグ&シューズ詳報第1弾 ミラノ流クラシックムードの取り入れ方は?

 ファッション・ウイーク期間中には、ランウエイショーだけでなく、バッグやシューズを手掛けるアクセサリーブランドのプレゼンテーションや展示会も数多く開催されている。ウエアにおけるエレガンス回帰が印象的だった2019-20年秋冬は、アクセサリーでもクラシックなムードが台頭。バッグは、かっちりしたシェイプやロゴのメタルパーツが目を引いた。一方、シューズではブーツの豊富さが際立ったほか、スクエアトーやチャンキーヒール、キトゥンヒールからミドルヒールの提案が増加。素材では型押しを含むエキゾチックスキンやパテントレザー、色柄では黒や茶のベーシックカラーに加えた赤や緑、アニマルパターン、チェック、そして、それらの自由なミックスがトレンドに浮上した。ミラノとパリで発表した主要ブランドの新作を3回に分けてお届けする。第1弾は、ミラノで発表した「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」「ヴァレクストラ(VALEXTRA)」「ジャンヴィト ロッシ(GIANVITO ROSSI)」「スチュアート・ワイツマン(STUART WEITZMAN)」をピックアップ。

JIMMY CHOO

 「ジミー チュウ」のテーマは“モダンヒロイン”。エリザベス女王やミシェル・オバマ(Michelle Obama)、レディー・ガガ(Lady Gaga)といった意欲溢れる情熱的な女性たちとブランドの精神を重ね、女性の多面性を探求した。その象徴として打ち出すのは、「J」と「C」を組み合わせた新しいモノグラム。立体的なパーツでブーツのサイドやパンプスのつま先、サンダルの甲にあしらったほか、新作バッグシリーズの“ヴァレンヌ(VARENNE)”にも採用している。“ヴァレンヌ”は、3サイズ展開のボウリングバッグやショルダーバッグ、サドルバッグなどをラインアップ。カーフレザーモデルに加え、スエード × カーフやホースヘア × カーフも用意する。シューズでは、実用性と装飾性を兼ね備える取り外し可能なストラップ付きのミュールや、ショートからニーハイまでバリエーション豊富なブーツがそろう。キトゥンヒールやスクエアトーのアイテムが増えているのも特徴。フォレストグリーンやバーガンディ、コッパーオレンジといった深みのあるカラーがクラシックなムードを際立たせる。イブニングシューズでは、左右非対称なビジューのチェーンを配したストレッチブーツに注目。スニーカーはスケーターシューズから着想を得た新作を提案するほか、“ダイヤモンド(DIAMOND)”をスポーティーなアッパーでアップデートしたモデルなども打ち出す。

VALEXTRA

 「ヴァレクストラ」はイギリス人建築家のジョン・ポーソン(John Pawson)によってアートギャラリーのような内装に一新された店舗を会場に、1969年に発売されたアーカイブからインスピレーションを得た新作“セリエ エス(SERIE S)”を発表した。かっちりとしたクラシックなシェイプでありながら、ファスナープルに丸や長方形のパーツを使うことでモダンに仕上げているのが特徴だ。ミニとミディアムの2サイズ展開で、スムースレザーやシボ入りのレザー、クロコダイル、パイソンなどさまざまなバリエーションをラインアップ。既存のモデルも深みのあるオレンジやカーキグリーンなどでアップデートした。メンズ向けには、“セリエ エス”のトラベルブリーフケースを提案する。

GIANVITO ROSSI

 「ジャンヴィト ロッシ」のテーマは“マスカレード(仮面舞踏会)”。カットアウトで仮面のモチーフを表現したサンダルをはじめ、背面にバニーガールの耳のようなディテールをあしらったサンダルや、レースで全体を覆ったショートブーツなど、どこかミステリアスで官能的なデザインがそろう。レザーやチュールを用いたプリーツパーツの装飾も印象的だ。また、プラットフォーム × チャンキーヒールのスタイルも豊富。ハウンドトゥース柄やコーデュロイの編み上げブーツ、レオパードプリントのローファーパンプスは、凹凸のあるラグソールを組み合わせることで、クラシックなスタイルにタフな要素を加えている。

STUART WEITZMAN

 「スチュアート・ワイツマン」は、今季初めてミラノ・ファッション・ウイークでプレゼンテーションを開催。 “どこにでも行ける「スチュワート・ワイツマン」ウーマン”をテーマに、細身のニーハイブーツなど象徴的なスタイルのアレンジを中心としたコレクションを発表した。NYブランドらしくデイタイムからイブニングまでさまざまなシーンに対応できるシューズがそろう。リボンやフェザー装飾で醸し出すクラシックなムードから、ブーツの豊富なバリエーション、パテント、レオパードなどトレンドも満載。また新たなモチーフとして、4つの「W」を組み合わせたスターを打ち出し、刺しゅうやクリスタルのパーツでデザインに落とし込んだ。

JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

原宿・新時代 ファッション&カルチャーをつなぐ人たち【WWDJAPAN BEAUTY付録:中価格帯コスメ攻略法】

「WWDJAPAN」4月22日号の特集は「原宿・新時代」です。ファッションの街・原宿が転換期を迎えています。訪日客が急回復し、裏通りまで人であふれるようになりました。新しい店舗も次々にオープンし、4月17日には神宮前交差点に大型商業施設「ハラカド」が開業しました。目まぐるしく更新され、世界への発信力を高める原宿。この街の担い手たちは、時代の変化をどう読み取り、何をしようとしているのか。この特集では…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。

メルマガ会員の登録が完了しました。