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GUのさらなる値下げの必要性こそ知りたい ファッションフリークOL「WWDジャパン」最新号につぶやく

 1992年生まれのファッションフリーク女子が、先週のファッション週刊紙「WWDジャパン」で気になったニュースを要約してお届け。渋谷のファッションベンチャー企業に勤める等身大OL、Azuのリアルな目線を生かした「このニュースからはコレが見える」という切り口で、さまざまな記事につぶやきを添えます。

今日のニュース:P.6『ジーユーが重点商品を値下げ』

読み解きポイント「消費者が求めるのは低価格?」

ニュースのポイント

 ジーユーは2020年春夏発表会で今後の成長戦略重点ポイントについて会見を行い、生活者・生産者・地球(環境)への意識をいかにビジネスに生かしていくかといった「3つのコネクト宣言」を発表した。「生活者のコネクト」としては、トレンド分析は生活者が最前線になっているとし、自社アプリ会員やインフルエンサー、ECサイト上の口コミ、店頭から吸収する声をどのように製品開発に生かしているかを紹介。客からの要望を受け2020年春にはエッジの効いたトレンドラインとローティーン向けのラインを新設する。

 「生産者へのコネクト」としては品質と価格のバランス追求のために行っている取り組みを紹介。工場と徹底的に話し合い生産スケジュールを組むことで、重点商品の価格値下げを実現した。

Azuはこう読む!

 このニュース、皆さんはどう思いますか?「値下げして嬉しい!」「企業努力がすごい!」という感想ももちろんあるかと思いますが、私はまず「そんなに値下げする必要ある?」と思ってしまいました。

 春夏に値下げするのはスエット素材のイージーパンツ。従来の1990円から990円に、なんとほぼ半額の値下げです。他にも、Aラインのカットソーワンピース、ブロードシャツ、クロップドレギンスなどを重点商品と位置付け、価格を990円にするそう。

 記事中には工場の集約や閑散期を使った生産計画、一部の素材生産の東南アジア移転など、さまざまな努力によって品質と価格のバランスを追求したと書かれていますが、なぜ価格を下げる必要があるのかも知りたいなと思いました。価格競争力を強化するためというのは当たり前にあると思いますが、さらなる低価格が消費者に求められていたのか?とも気になります。

 先日の「自社都合でなぜまた不要なブランドを増やす?」の記事にも書きましたが、その施策は消費者が求めているものなのか?と疑問になるときがたまにあります。インターネットの世界だけでしかウケないようなド派手な広告施策など、それはアパレルに限らずですが……。

 いつでも・どこでも・誰でも買えて楽しめるブランドを提供していることは本当に素晴らしいと思いますが、「3つのコネクト宣言」の中にある「地球(環境)への配慮」という部分が、生産過程や素材面のアプローチだけでなく、大企業だからこそできる廃棄の出ない生産計画にまで及んでいたら良いなと思っています。

 そう考えた時に、環境への配慮と「いつでも・どこでも・誰でも買える世界」との両立ってかなり難しくなると思っていて、「エキゾチックレザー製品はエシカルに反するか」という議論や「サブスクリプションはサステナブルか」という議論もあったり。あまりのややこしさに考えるのを放棄したくなりますが、消費者に誠実であるためには、いま避けては通れない「エシカル/サステナブル」というワードにどういうスタンスで向き合っていくのかを明確にすることが欠かせません。

 話は逸れましたが、1000円の値下げがどこかの新たな消耗戦にならなければ良いなぁ、と思います。

Azu Satoh : 1992年生まれ。早稲田大学在学中に渡仏し、たまたま見たパリコレに衝撃を受けファッション業界を志す。セレクトショップで販売職を経験した後、2015年からファッションベンチャー企業スタイラーに参画。現在はデジタルマーケティング担当としてSNS運用などを行う。越境レディのためのSNSメディア「ROBE」(@robetokyo)を主催。趣味は、東京の可愛い若手ブランドを勝手に広めること。ご意見等はSNSまでお願いします。Twitter : @azunne