ファッション
連載 編集長・向の今日は誰と会って、何食べた?

編集長は先週何した? 「トモ コイズミ」でKoki,をカメラに収め、「シャネル」の展覧会を見尽くし、「ヒロココシノ」の後に深川丼!

 こんにちは。日を追うごとに台風19号の被害の大きさか明らかになる中、身近な方が被災された方も多いと思います。改めて心よりお見舞い申し上げます。

 縫製やニットなどアパレル関連の工場も多く被害を受けていると聞きます。その中、東京では先週「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)」が開かれました。こういう時、歩みを止めないことの大切さは東日本大震災の時に学びました。あの時も翌々週にファッションウイークを控え、デザイナーたちは「こんな時にファッションショーでよいのか」と悩みながら実施を決めました。今回も悩みながらショーや展示会、イベントを開いた関係者が多いようですが、「それでよかった」と私は思います。ファッションを通じてポジティブなメッセージを伝えると同時に、工場の再稼働を後押しする受注をガンガンとっていきましょう。そう伝えたいです。

10/15(火)
「ヒロココシノ」からの深川丼

 コシノヒロコさんは今年82歳です。年齢は関係ないことはない、と私は思います。このショーを見て、自分が82歳になった時にヒロコさんほどのパワーを持てるだろうか、と考えると疑問です。会場は東京都現代美術館。太陽光がたっぷり注ぐ会場は温かく美しく、言葉を替えるとすべてを白日にさらします。実際、素材もディテールも全てがはっきりと見えました。音楽は前回に続いてピアニスト横山幸雄さんによる生演奏。光と音と服が刻々と変わってゆく、ライブでしか作れない30分は「見よ、これが『ヒロココシノ(HIROKO KOSHINO)』だ」と言わんばかりの力強く美しい時間でした。

 会場までは遠かったけれど、途中で深川丼にありつけて幸せ。食べても食べてもあさりが出てくる、は本当でした。

10月16日(水)
Tokyo 新人デザイナー
ファッション大賞

 プロ部門の審査を担当している「2019 Tokyo 新人デザイナーファッション大賞」のショーと表彰式に出席しました。プロ部門は「ポートヴェル(PORTVEL)」が東京都知事賞を受賞(写真)。デザイナーの濵田博昭さん、おめでとうございます!動画は、アマチュア部門で大賞を受賞したエスモードジャポンの田村奈々さんの作品です。「女性のための女性服」というテーマについて詳しく聞いてみたいという好奇心を掻き立てられます。

 同賞とは関係ないのですが、渋谷ヒカリエで開かれるショーは始まりを待つ間の照明が真っ暗であることが多いです。この日もそう。ランウエイの反対側の人の顔も識別できないほどの暗い照明は異様。ブランドの世界観の演出なら理解できますが、そうとも限りません。ショーを待つ間に「あ、あの人が来ている!」とあいさつに動いたり、来場者のファッションを眺めたり、リリースに目を通したりするのもファッションウィーク中の大切な時間ですからそれができない暗い照明は機会損失につながっています。JFW事務局には何度か進言しているのですが、改めて改善を期待します!

10月16日(水)
夢見る「トモ コイズミ」

 「トモ コイズミ(TOMO KOIZUMI)」のショーのドリーミーだったこと!ファーストルックの美佳、続くKoki,、福士リナ、フィナーレの冨永愛。豪華なモデルが一人ずつ、ゆっくりと登場し、そのたびに照明と曲が変わり、同じ「トモ コイズミ」でもそれぞれに別の個性が宿ります。桁外れのボリューム感と華やかな色。下手をしたら“おもしろい” に着地するデザインですが、突き抜けた美しさに着地していてかつ楽観的。写真はドレスでぎゅうぎゅうのバックステージでデザイナーの小泉智貴さんとKoki,さん、動画はフィナーレの様子です。

10月17日(木)
「シャネル」の展覧会を
とことん見る

 「シャネル(CHANEL)」のクリエイションの背景を伝える展覧会「マドモアゼル プリヴェ/ガブリエル シャネルの世界へ(MADEMOISELLE PRIVE TOKYO)」のプレビューへ。1時間以上、じっくりと見ました。2枚目の写真を目を凝らして見てください。これ、刺しゅうなのです!すご!手間!これが象徴しているように、オートクチュールメゾンである「シャネル」にとって手仕事を担う職人は、ガブリエル・シャネル(Gabrielle Chanel)が残した価値を形にするために絶対に必要な存在。だからこそ、アトリエ ルサージュ(ATELIER LESAGE)やアトリエ モンテックス(ATELIER MONTEX)といった工房を大切にするし、最近ニュースになったように取引きがあるメーカーの株式取得も進めているわけです。

 また、この展覧会ではパリ・カンボン通り31番地にあるココ・シャネルのアトリエの螺旋階段がフィーチャーされています。ガブリエル・シャネルとそのスピリットを引き継ぐアトリエにとって、建物や場がいかに大切な存在であったかを知ります。そして「あ~、自分の日常の場をもっと丁寧に見直したいな」と思いました。もちろん、ガブリエル・シャネルのアトリエと自分の仕事場は比べ物にはなりませんが、そもそも比べる物ではなく、過ごす場を大切にするスピリット自体を見習いたいと思うのです。

 ソフィア・コッポラ(Sofia Coppola)が手掛けたムービーや職人たちと対話しながら参加できるワークショップなど見どころは他にもたくさんあります。そしてパーティーはファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)のライブで大盛り上がり!最前列をキープしちゃいました。面白い人たちにもたくさん会えました。

10月17日(木)
最新号「パリコレ特集第2弾」
責了と本日のおやつ

 表紙は「ロエベ(LOEWE)」のバックステージでの美佳。「トモ コイズミ」のオープニングも飾った注目新人モデルです。ホントかわいい!本日の、というよりほぼ毎日駅の売店で買ってしまうおやつはこれです。

10月18日(金)
「リト」で長谷川親子と会う

 初めてショー形式で発表した「リト(RITO)」は、着心地の良さそうな素材使いに加え、不思議とウエストや肩といったパーツに目が向くデザイン。シンプルだけどスタイルをよく見せてくれそうです。PRを担当しているザ・ウォールの長谷川真美子&左希子の親子はいつも250%全力投球です。たまには自分をいたわってね。

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