ファッション
連載 編集長・向の今日は誰と会って、何食べた?

編集長は先週何した? ビームス&UAの本部長を取材、哲学者鷲田清一氏に突撃、ラグビー界のスターとランチ!

 こんにちは。「WWDジャパン」編集長の向(むこう)です。弊紙は言うなればファッション業界バラエティー紙。この世界にはおもしろい人がたくさんいるのでこの仕事が止められません。先週はセレクトショップ周りの方々を中心に会いましたよ!

8月9日(金)
ビームスの次世代リーダーを取材

 日本のファッションカルチャーを育ててきたのはセレクトショップであり、それを支えてきたのはオモシロイ人たちの目利きの力だと思います。ビームスの設楽洋社長はその代表ですが、こちらの会社にはオモシロイ人たちがほかにも大勢いて企画屋集団(はたまた動物園!?)みたいな感じです。ハイ。

 そんなビームスの次世代を担う、2人のキーパーソンを取材しました。短パンの山﨑さん(軽井沢在住)は元三井物産、ジャケットの池内さんは元電通(東京オリンピック招致にも関わり)というキャリアで、いずれも昨年入社しました。肩書きの「プロデューサー」から分かるように、お2人の仕事は仕入れや店頭というより、全国に散らばるユニークなビームス・ピープルの力を引き出してプロデュースし、そしてビジョンを策定&リードすることのようです。

 何といってもこだわり集団ですから、外から入って仕事をするのは大変かと思いきや、2人ともそれを楽しんでいるポジティブリーダーでした。そろってメディアの前に登場するのは、本邦初!?「WWDジャパン」9月2日号のセレクトショップ特集でインタビューをがっちり掲載します!

 ビームス本社のエレベーター周りがカワイイので取材ついでに写真を撮らせてもらいました。眺望もばっちり。ガラスがきれいで映り込みもばっちりです(笑)。

8月17日(土)
哲学者の鷲田清一氏へ会いに仙台へ

 ファッションを書くことを仕事にしている人なら一度は哲学者の鷲田清一さんの著書「モードの迷宮」や「ひとはなぜ服を着るのか」に触れてきたかと思います。最近はファッションに関して書かれることは少ないですが、新刊「生きながらえる術(すべ)」を読んで、改めて取材をさせていただきたいと思いました。そんな折、鷲田さんが館長を務めるせんだいメディアテークでトークイベントがあると知り夏休みの遊びを兼ねていざ、仙台へ。

 「正直」をテーマにしたトークの相手は、注目の若手建築家ユニットo+hのお二人です。いや~建築家って大変な仕事ですよね。クライアントや街の人、施工会社などリクエストも利害関係も異なる多くの人との対話の中でニーズを引き出しつつ、発注者が予想を超える提案をする仕事は対話の連続!!その中で「正直」であることの大切さと難しさを話してくれました。そして、鷲田さんの話の引き出し方、対話の中での思考の深め方がさすが。偉大な書き手は優秀な聞き手でありました。

 トークショーの終了後、鷲田さんに取材依頼のお手紙を手渡ししてきました。そこでいただいた言葉を公にすることは控えますが、心の栄養になりました。取材、すぐでなくてもいいからいつか叶うといいな。ちなみに、伊東豊雄さんが設計したせんだいメディアテークは杜の都の緑の存在感を空間に取り入れた素敵な建物です。

8月19日(月)
ラグビー界のスター、
ダン・カーターとランチ!

 自慢させてください!ラグビー界の大スター、ダン・カーター(Dan Carter)とランチをいただきました。「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のとあるプロジェクトでインタビューをする機会が得たのです。元ニュージーランド代表の背番号10番のダン・カーターです!とか言いながら正直、ラグビーは全然分かりませんが最強チーム、通称オールブラックスの存在はさすがに知っています。試合前に踊るマオリ族の伝統舞踊ハカは有名ですよね。取材前にダン・カーターの名プレーまとめを動画で見て鳥肌が立ちました。

 ソフトで実直でクレバーな受け答えとこの笑顔。かっこよかったです!!彼はきっとこの先、経営者などラグビー以外でも活躍するに違いありません。スポーツ担当とともに行ったインタビューの内容は近日公開予定でございます。

8月19日(月)
UAの次世代リーダーに取材

 「セレクトショップ特集」の取材のため、今日はユナイテッドアローズへ。竹田光広社長とともに同社をリードしている2人の若き常務に会いました。お一人が写真の松崎さん。主にトレンドマーケット向けの事業を統括する第一事業本部を束ねています。もう一人が、木村竜哉さん(写真を撮らせていただきそこねた……古着も好きなおしゃれ男子)で、「グリーンレーベル リラクシング」などが入る第二事業本部の本部長です。

 UAの年間売り上げは1500億円超え。2人の肩の上の重荷もどんだけ~、ですよね。そのあたりを読み解くためにも戦略を聞きました。セレクトショップにルーツを持ちつつ、今や大手SPA企業でもある同社のモノづくりの仕組みの戦略も、聞きました。そして分かったのはお2人の肩の上に載っているのは重荷ではなく、エンジンであるということでした。プレッシャーを重荷と思うようじゃあ、リーダーは務まりませんものね。

 ユナイテッドアローズ本社の待合スペースにはアート作品がいくつも。名和晃平さんの作品を10センチの距離で上から横からじっくり拝見しました。

8月20日(火)
GR8久保さんがおもしろすぎた


 今、日本で一番尖っているセレクトショップと言えば、原宿のGR8(グレイト)でしょう。品ぞろえも集客も売り上げもピカイチ。で、GR8と言えば久保光博オーナー・バイヤーです。

 弊紙は9月に「モードって何?(仮)」特集を予定しておりまして、このシンプルな問いに答えてくれそうな方を訪ね歩いている最中です。久保さんに申し込むと「ちょうどそんなことを考えていた」とのことで快諾いただき、ラフォーレ原宿2.5階にあるお店に向かいました。アツい!アツすぎる!!期待以上!!!の答えをもらったので特集でお伝えしますね。

 GR8を知ったのは10数年前。当時私が編集長を務めていたコレクションマガジン「ファッションニュース」で、全国のセレクトショップのバイヤー170人を紹介するという気合の入った特集を組んだのですが、着道楽の街である愛媛・松山のセレクトショップ、インセクトの柴田哲志社長を取材した際に、紹介してもらったのが同社出身の久保さんでした。当時インタビューで聞いた“俺がやるしかない”というフレーズ、今も記憶に刻まれています。

 なお、「モードって何?」に一家言ある方、ぜひ編集部まで一報くださいませ。

8月20日(火)
ECセミナーでお悩み相談会開催

 7月9日号「EC特集」は発行済みですが、プロジェクトはまだ終わってなかった。この日開催したセミナーが本当のゴールでした。ヤプリさんのおしゃれなオフィスをお借りして、紙面にも登場いただいた4人のプロを迎えて“お悩み相談会”的なトークイベントを開催しました。質問例は、「モールがありすぎてどれに出店していいか分からない」とか、「リアル店舗とEC、共通のKPIを設定するには?」とか。ぐぬぬ。リアル。

 アマゾン ペイやヤプリ、AMS、イーベイ・ジャパンなどEC関連企業が最新ビジネスを短い時間で紹介するコーナーも設けました。

 消費ビジネスに携わる人なら誰しもECに関する知識や活用する力が求められている時代。どんどん進化するからアップデートが大変ですよね。トークイベントの司会の勉強も大変だったので分かります……。だからこうやって実際に会って悩みを持つ人同士がつながり、相談できる場をもっと増やしたいね、と社内で話しております。

8月21日(水)
元伊勢丹社長、
小柴和正さんのお別れの会へ

 小柴和正・元伊勢丹社長のお別れの会にうかがいました。

 メーカーに勤務していた20代の頃、週末や繁忙期は百貨店や専門店で応援販売をしていました。一番緊張する売り場は伊勢丹新宿本店でした。とにかく忙しいし、指導係の方は厳しかったし、各メーカーが精鋭を派遣してくるから売り場の緊張感も高い。その分、皆誇り高く仕事をしているし、売り上げも大きいからやりがいがある。今思えば、あの頃の伊勢丹の社長が小柴さんでした。当時は小柴さんが打ち出された「ファッションの伊勢丹」という経営理念をまったく理解はできていませんでしたが、それを売り場を通じて体感できたことは今の仕事の財産となっています。

 心よりご冥福をお祈り申し上げます

8月21日(水)
「マルベリー」ナイトの熱気が
すごいことに

 8月一番の盛り上がりだったかもしれないイベントが、「マルベリー(MULBERRY)」が表参道で開催した体感型イベントのオープニングでした。ドラァグクイーンたちと遊べるゲームコーナーが特に人気で、ライブも大盛り上がり。床が抜けるんじゃない!?と心配になるほど、大勢の人が揺れておりました。

 パブ風の演出だからお酒もビールかシングルモルト。ボウモアを前にバーテンさんに「15年と18年、どちらがいいですか?」と聞かれたものの、こちらが答える前に一瞬にして「18年ですよな~」と振舞っていただけたのは、年の功かしら??おいしかったです。

 大好きなクリエイティブ・ディレクターのジョニー・コカ(Johnny Coca)とハグはできたけど、後で写真を撮らせてもらおうと探したものの人が多くてたどり着けず。そんなところもパーティーっぽくていいかな。DJで盛り上げていたのはマドモアゼル・ユリアちゃん。ブラボーです。

8月22日(木)
9/2号「19年春夏売れた物特集」
校了と本日のおやつ

 本日発売の8月26日号は百貨店の春夏売れ筋をまとめた特集です。そして定期購読の方には、記者ほぼ総出で作った渾身の別冊「ビジネスリポート」がつきます!全国50の百貨店、9つの分野(化粧品、特選、婦人服、紳士服、バッグ、シューズ、時計、ジュエリー、ファッションジュエリー)の売れ筋をまとめたデーターブックです。単品購入もできるようになりましたのでぜひ。そして本日のおやつは、集英社でお土産にいただいた「満月チップス」です。

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