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郊外型百貨店浮上のモデルケースとなるか? 西武所沢店が定借を導入し今秋リニューアル

 そごう・西武は西武所沢店を2019年秋にリニューアルし、売り場面積(1万9000平方メートル)の約73%を定期借地契約(以下、定借)による専門店に切り替える。「地方・郊外型の店舗は百貨店各社厳しい状況にある。そごう・西武としては、今回の改装によって西武所沢店を専門店複合型とし、地方・郊外店のモデルケースとしていく」(林拓二社長)という。従来型の百貨店ビジネスモデルの苦戦を受け、大丸松坂屋百貨店、高島屋などが定借の導入を積極的に進めているが、「そごう・西武は地方店から定借化を進める」。

 地下1階~地上8階のうち、百貨店型のオペレーションを残すのは地下1階全面と1階一部の食品、3階全面の婦人服、7階一部のギフトサロンのみ。専門店テナントとして、9月から順次、「無印良品」「ロフト」「ユザワヤ」「ジンズ(JINS)」「エービーシー・マート(ABC MART)」などが4~7階にオープンする。6階は全面が家電量販店となる。専門店型の2階のビューティ売り場は、「M・A・C」「ジョンマスターオーガニック(JOHN MASTERS ORGANICS)」などを導入し、「所沢エリア随一のビューティゾーンを形成する」(広報担当者)。加圧スタジオや施術サービスも充実する。全ショップ数は120、うち新規オープンは50。

 同店は17年の改装で、地下1階、1階の2層を食品フロアにして集客を期待していたが、新たに近隣に駅ビルもでき、直近では客が分散していた。そこで、今回の改装で、食の目玉としては1階にフードホールを11月に導入する。うどん、スペインバル、カフェ、和菓子店などをそろえる。

 最上階の8階には地域の子どもたちがダンスや歌を学ぶことができる劇団のシアターや、楽器店、旅行代理店を導入。リーシングにあたっては、「駅前の商業施設として、今、地域に何が不足しているかを考えた」と林社長。

 そごう・西武は全国に15店があり、首都圏に立地する基幹店は5店(西武池袋本店、西武渋谷店、そごう横浜店、そごう千葉店、そごう大宮店)と、地方店の比重が大手5社の中で比較的大きい。19年2月期の5店の売上高は前期比1%増、残りの10店は同3%減と、成長率で4ポイントの差がある。「西武所沢店で導入する専門店複合型モデルを、いかに基幹店以外の計10店に横展開できるかが今後の勝負どころとなる」と意気込む。