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「リーバイス」の神ワザがデニムジャケットをスーツに変えた!! オーダーメイドサービスに挑戦

 個性を尊重する潮流と、1点モノの制作が容易・可能になった技術革新の結果、ファッション&ビューティ業界では「パーソナライズ」や「カスタマイズ」、いわゆる世界に(ほぼ)1つの品物を作るサービスを提供するブランドや企業が増えています。そこで「WWD JAPAN.com」は、トレンドや最新ムーブメントを知るからこそのアイデアを形にしてもらいながら、サービスの利便性や価格、パソコンやスマホ使ったパーソナライズのユーザビリティーなどを検証します。

 さて、「パーソナライズ&カスタマイズ」企画、簡単に言えば「作ってみました!」連載(笑)の2回目は、「リーバイス(LEVI’S)」。原宿にオープンした旗艦店では、オーダーメードサービス“ロット・ナンバーワン”という新サービスまでスタートした、キング・オブ・デニム。日本に2人というマスターテーラーが、型紙製作から生地選び、裁断、縫製、仕上げまで、1点モノの制作にまつわる全工程を手作業で行ってくれるそうです。

好調リーバイス 原宿旗艦店は「カルチャー化で勝つ!」とチップ・バーグCEO

 そこで今回はスペシャルというコトで「リーバイス」のトラッカージャケットをベースとしながらも、マジで完全オリジナルな1点モノを制作する特別体験に挑戦。2人のマスターテーラーと、カスタマイズの可能性を探ります。結果、原型があるような無いような(苦笑)、スーパーオリジナルアイテムになりましたが、アイコニックゆえ揺るがない個性を持つ「リーバイス」のトラッカージャケットを驚くべき姿に変えられちゃうのも、マスターテーラーがなせるワザと言えましょう。

 さぁ、ということでまずはオーダー、スタートです。訪れたのは、芸能人やインフルエンサーが通うという、都内某所のアトリエ。2人のマスターテーラーは普段、ここでオーダーを受けたり、それを製作したりの作業に勤しんでいるそうです。アトリエには、過去製作したアイテムがずらり。なんだか見たことある洋服も並んでいるのは、きっと、2人が生み出した衣装を芸能人やアーティストがテレビやMV、ライブなんかで着用しているからでしょう。

 ゼロベースのオーダーは、「さぁ、何を作りましょう?」と尋ねられることから始まります。でもこう聞かれると、なかなか即答できないモノですね(笑)。アトリエに並ぶ“作品”を見ながら、「正直、大きなトレンドが無いデニムで何を?」とか「どんなアイテムなら今、袖を通したくなるか?」なんて考えていたら、1つのアイデアが浮かびました。

 それは、スーツです。

 ご存知の通り、2019-20年秋冬シーズンは、フォーマルが大復活。「ディオール(DIOR)」や「ドリス ヴァン ノッテン(DIRES VAN NOTEN )」を筆頭に、ストリートを経た男性に贈るリラックスマインドのスーツが復活しそうな気配です。「デニムで作ったリラックスシルエットのスーツがあったら、とってもストリートなフォーマルじゃん!!」。

 そう思ってイメージとして「ジル・サンダー(JIL SANDER)」の柔らかなフォーマルの写真をお見せしました。ソフトな生地感、リラックスシルエット、大ブームだったストリートとは異なるミニマルなムード、なのにヒップハングなパンツで馴染みやすいカジュアルマインドなど、まさに今のフォーマルです。

 「デニムで、こんなカンジのスーツをお願いします!!大きめのピークドラペルで!!」。トラッカージャケットの「リーバイス」にスーツを発注って、我ながら“向こう見ず”だと思いましたが、2人のマスターテーラーは動じません。「ジル・ サンダー」の写真を見ながら、「やっぱりダークトーンが良いですかね?」とか「丈が足りないから足しましょう」とか「ラペルは、この位置ですか?」など、職人らしく淡々と、でも次々とアイデアを提案してオーダーは一気に進みます。さすがはマスターテーラーです。

 その様を見ると学ぶことばかりなのですが、一方でマスターテーラーと「リーバイス」は、こんなやりとりを通じて、今ドキのスタイルやシルエット、丈感などの情報を収集し、それを次のオーダー、日本企画、ひいては世界企画に組み込んでいくそうです。なるほど!!このアトリエを訪れる芸能人やインフルエンサー、オープンした原宿旗艦店でゼロからのオーダーメードに挑戦する人は、絶対みんなオシャレさん。彼らの声が、ネクスト・トレンドにつながることは、間違いありませんからね。

 ボトムスは、32インチの“501”を腰ばきしたら何もせずとも「エエ感じ」。ということで、これには刺しゅうを加えてみましょう。自分の名前に媒体名(我ながら、呆れる媒体愛ですw)、それに「リーバイス」のロゴをプラスします。媒体名は、ダイバーシティーの時代を象徴するレインボーです(笑)。色のグラデーションも、細かく指定できました。

 そして待つこと1カ月。2020年春夏のメンズ・コレクション取材から帰国したら、デニムスーツが完成しておりました!

 なんということでしょう!デニムなのに(!)、いやデニムだから(!!)、実にリラックスしたスーツに仕上がっております。お気に入りはラペルの色と、プラスした丈の色がマッチしているところ。そしてデニムなのにエレガンスで、デニムだからカジュアルと相反する魅力を兼ね備えているところです。マスターテーラーさん、あんたらは神や〜(笑)。
 
 ということで、今回も大満足のパーソナライズ。特に今回は、「リーバイス」のスペシャリストとともに、「リーバイス」らしさを残すか?それとも「リーバイス」らしさを裏切ってしまうか?なんて迷いも楽しめる体験でした。

 今回のパーソナライズはスペシャルでしたが、原宿の旗艦店では、好きな位置にダメージ加工を施した上でデザイン性の高い当て布をプラスするなどのカスタマイズを楽しむことができます。ダメージ加工は3000円から。

 ちなみに、今週発売の「WWDジャパン」は、デニム特集。もちろん、「リーバイス」も登場しています。ぜひご覧ください〜。