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断言! ダッドスニーカーはさらに巨大化します

 6月9日に本格スタートした2019年春夏シーズンのメンズコレクションサーキットもいよいよ折り返し地点。ロンドン、フィレンツェ、ミラノの3都市で合計約120ブランドの取材を終え、注目ブランドが目白押しのパリメンズが開幕しました。今シーズンで個人的に注目しているのは、現在のメンズシーンを席巻するストリートの流れに対し、各ブランドがどういったスタンスを示すのかということ。流行に乗ってストリートに寄せるのか、はたまたその反対を行くのか。いずれにせよ3都市を取材してみて、各ブランドがこのストリートブームに対して何らかの意識を持っていることは間違いありません。

 ブームに乗るのか否かを見るうえで、最も分かりやすいのがストリートを象徴するアイテムのスニーカーです。最近は「バレンシアガ(BALENCIAGA)」のヒットアイテム“トリプル S(TRIPLE S)”をはじめ、“ダッドスニーカー”と呼ばれるちょっと野暮ったくてボリュームのあるタイプが大流行しています。しかし新しいモノが大好きなストリート男子たちですから、そろそろ飽きも感じてくる頃では?と思いながら色々なショーを取材していました。結論から言います。“ダッドスニーカー”は継続するどころか、ますます巨大化しています。

 まずはミラノを代表するブランドの1つ「ヴェルサーチ(VERSACE)」の人気モデル“チェイン リアクション(CHAIN REACTION)”の新作。見てください、このボリューム。同シリーズはソールがブランドのアイコンである鎖を模したデザインで、過去にカニエ・ウェスト(Kanye West)の「イージー(YEEZY)」でスニーカーをデザインしていたサレヒ・ベンバリー(Salehe Bembury)が手掛けています。ミラノの街でも履いている人を数人見かけたほど人気ですが、新作は鎖部分の主張がさらにスゴかった。

 同じくミラノで毎回話題を集める「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)」もデカい。ガンダムやレゴのブロックを想起させるような、ポップでキャッチーなデザインが抜群の個性です。同ブランドのコレクションは毎回煌びやかでド派手なイメージですが、そんなコレクションにも全く引けをとらない存在感を放っていました。

 ここまでもかなり圧倒されてしまう感じですが、まだ上には上がいました。「ディースクエアード(DSQUARED2)」は、もはやスニーカーが歩いているといっても過言ではないほどの特大サイズ。太めのカーゴパンツに合わせてもまったく引けをとらず、もはや“ダッド”を超えた“ビッグ ダディ”です。フィナーレに登場したデザイナーのディーン・ケイティン(Dean Caten)とダン・ケイティン(Dan Caten)もスニーカーを履いて登場しましたが、おそらく多数の人がスニーカーの大きさに目を奪われたでしょう。

 今回は代表的なブランドのみを紹介しましたが、“ダッド スニーカー”のブームに乗り、キャッチーなモデルを発表していたブランドは他にもたくさんありました。19年春夏のトレンドであるスポーツのムードが追い風となり、まだまだ勢いづくスニーカーブームと同様、ストリートの流れももうしばらく続きそうです。