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ガーリースタイルのミューズ、クロエ・セヴィニーの飾らない魅力

 数々のファッションブランドでキャンペーンモデルを務めるクロエ・セヴィニー(Chloe Sevigny)は、1995年にラリー・クラーク(Larry Clark)監督の映画「キッズ(KIDS)」で女優デビューした。同じ頃の94年には、ソニックユース(SONIC YOUTH)のキム・ゴードン(Kim Gordon)と「エクストララージ(XLARGE)」のスタッフだったデイジー・ヴォン・ファース(Daisy von Furth)が「エックスガール(X-GIRL)」をスタート。そこでクロエは当時、カタログやキャンペーンでモデルを務め、ブランドの顔として活躍した。そんな90年代を象徴する両者が再びタッグを組み、今回初のコラボレーションが実現。「エックスガール」は今回、クロエがモデルを務めていた当時の着用アイテムを復刻した。ファッションアイコンと称され、時代を超え女性たちから愛されるクロエの魅力をひも解く。

WWD:今回のコラボで特に気に入っているアイテムは?

クロエ・セヴィニー(以下、クロエ):ボーダーのワンピースね。振り返ってポーズをとっている写真があるんだけど、フォトグラファーの(茂木)モニカが撮影中、ずっと私のことを「セクシー、セクシー」って盛り上げてくれて、こんな表情になったの。

WWD:今回のコラボはブランド設立当時のリバイバルだが、当時と今でブランドを比べるとどう?

クロエ:当時は小さなブランドでお店も数店舗しかなかったし、商品も多くなかったから、欲しくてもなかなか手に入らなかった。当時はインディーズでヒップホップ好きの女の子のブランドってイメージが強かったから、どこか特別感があったわ。今はもっとみんなのブランドになって、ウィメンズのストリートを代表しているわね。

WWD:「エクストララージ」を立ち上げたビースティ・ボーイズ(BEASTIE BOYS)のマイクD(Mike D)が「カルチャーに裏付けらたブランドだから、何年たっても変わらない」と言っていた。「エックスガール」の変わらない部分はどこ?

クロエ:去年撮影した映画は(ビースティー・ボーイズの)アダム(・ホロヴィッツ)に夫役で出演してもらったのよ(笑)。変わらない部分ってなかなか難しいけど、日本の女の子はエッジィだから、いつの時代もブランドをかっこよく着こなしてくれる。だからブランドのイメージやバックボーンは変わらず発信できている。キムとデイジーがブランドの売却先に日本会社を選んだのは、すごく理解できた。

WWD:私服にも注目が集まるが、ファッションスタイルのインスピレーション源は?

クロエ:誰と会うのか、どこに行くのか、それがいつも判断基準ね。あとは天気。「映画のプレミアに行くときは、最新の服を着なければいけない」とかおかしなルールもあるわ。

WWD:自身がファッション・アイコンと呼ばれることに関してはどう思う?

クロエ:“ファッション・アイコン”って呼ばれると、今まで自分がやってきたカルチャーが消えちゃうような気がする。ケイト・モス(Kate Moss)と私は違うし、ただおしゃれな人という位置づけはうれしくないわ。適切な言葉がないからファッション・アイコンって呼ぶんだろうけど、代わりの言葉を見つけることを怠けているだけよ。

WWD:ファッションに関して、クロエは誰から影響を受けた?

クロエ:特に誰っていうのはないけれど、しいて言うなら友達。パティ・スミス(Patti Smith)とか。自分らしく着こなしている女性が好き。

WWD:理想の女性像は?

クロエ:それは生まれつきのものかも知しれないけれど、洋服を上手に着こなしている人かな?自信とかプライドを持っている人も。ファッションには、その人の内面が出ると思う。今回は友達と一緒に来日したんだけれど、彼女も買い物上手で、すごくいい感じに着こなすの。

WWD:来日するときはいつも友達と一緒?

クロエ:いつもじゃないけれど、仕事の時は彼氏を連れて来ちゃダメって分かってる(笑)。男のプライドかな。彼女は仕事しに来ているのに、俺はしていないとか……。もちろん彼にもよるけど。

WWD:日本で買い物する場所は?

クロエ:古着屋がすごく好きで、ラブラット(LABRAT)、トランプルーム(TRUMP ROOM)、ベビードール(BABYDOLL)とか。ラグタグ(RAGTAG)も好き。買っても絶対着ないけれど、セーラー服も好きなの。1990年代を象徴するアイテムよね。でも今回は、あんまりお買い物っていう感じじゃないの。洋服はもう十分持ってるから。

WWD:今後のビジョンは?

クロエ:映画監督としても女優としても、これまでやってきたことを続けながら、美しく年を重ねていければ。

WWD:以前ラリーが、クロエのことを素敵な女優だと言っていた。

クロエ:そうなの?彼はいい映画監督だよね。ハーモニー・コリン(Harmony Korine)がチャンスをくれて、ラリーの映画に出してもらった。

WWD:「キッズ」の続編はある?

クロエ:ラリーはそんなこと言ってた?あの映画に出てる人亡くなっちゃってる人も多いし、もうみんな年を取っちゃってるからそれはないと思う。あなたには言ったかも知れないけど、私は聞いてないわ(笑)。