ファッション

「セルフ-ポートレート」がロンドンに初店舗 ハイクオリティ・ロープライスにこだわるわけ

 「セルフ-ポートレート(SELF-PORTRAIT)」は3月22日、初の旗艦店をロンドン・メイフェアのアルベマール通りにオープンする。

 「セルフ-ポートレート」は2013年の設立で、レースや手縫いの刺しゅうなど、技巧を凝らしたデザインを特徴とながら、比較的手頃な値段で知られる。同ブランドを手掛けるのはマレーシア出身でロンドンを拠点に活動するデザイナー、ハン・チョン(Han Chong)だ。「ロンドンブランドだからまず初めにロンドンに1号店をオープンしたかった。アルベマール通りを選んだのは、このエリアに満ちているエネルギーが好きだから。ここには気取らないラグジュアリーさと、少しエッジーな部分もあるんだ」と場所を選んだ理由を語る。

 初の実店舗展開については「エスククルーシブであることが大事。僕は裕福な生まれじゃない。だから学生のときは高いブランドを買うお金なんてなかった。ラグジュアリーブランドの店に行ったときのショッピング体験には感動したが、経済的な余裕がなく何も買えなかった。だから僕はラグジュアリーな体験を提供しながも、価格は300ポンド(約4万5000円)程度という場所を作りたかった」と語った。

 広さ約230平方メートルの店舗は2階建てで、店舗デザインはギンザ シックスの「セリーヌ(CELINE)」の店舗を手掛けたこともあるロンドンとベルリンを拠点にする建築会社、キャスパー ミュラー クニール(CASPER MUELLER KNEER)が担当した。内装は同社とビジュアル・アーティストのマイケル・エルムグリーン(Michael Elmgreen)の手によるもの。店内にはテーラードサービスや予約制のスタイリングサービス、ロンドン市内であれば90分以内に商品を届けることができる配送サービスを用意している。

 ベストセラーはアイコンでもあるレースのドレスだが、ニットも好調だとチョンは語る。今後はアクセサリーやこれまで手掛けたことがなかったカテゴリーにおいても他ブランドなどとコラボレーションを計画中。しかし価格帯は低めに抑えるという。「アフォーダブルなものを提供することは、僕の全ての出発点であり、目標だ。みんなに手に取ってもらいたいから」と語る。

 「セルフ-ポートレート」は、旗艦店の売上高を200万ポンド(約2億9600万円)と見込んでいる。現在の売り上げの地域別内訳はイギリスとアメリカがそれぞれ約30%、残りはアジア、中東、イタリア、北欧だという。今後3〜5年で世界に8〜10店舗をオープン予定で、2店舗目はアメリカ、その後はアジアを検討している。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

Timeless, Yet New 変わらない吉田、世界を変える【WWDBEAUTY付録:今こそ立ち上がれ、日本化粧品】

「WWDJAPAN」12月22日&29日合併号は、創業90周年を迎えた吉田カバン総力特集です。「ポーター(PORTER)」「ラゲッジレーベル(LUGGAGE LABEL)」「POTR」の3ブランドを擁し、日本を代表するカバンメーカー・吉田のモノ作りに迫ります。日本が誇る伝統技術を持つカバン職人たちと深い関係を築きながら、最先端の技術・素材を使い名だたるデザイナーズブランドとコラボレーションする相反…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。