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「マメ」黒河内真衣子が語る パリコレ参加への思い

 黒河内真衣子のウィメンズブランド「マメ(MAME)」は2018-19年秋冬、パリ・ファッション・ウイーク(以下、パリコレ)に初参加する。東京都と繊維ファッション産学協議会が主催する、日本国内を拠点にするファッションデザイナーに向けた新たな「ファッション プライズ オブ トウキョウ」(以下、FPT)の第1回の受賞者として選出された。「マメ」は18-19年秋冬と19年春夏の2シーズン続けて、ショーを行うための資金の助成を受ける。

 黒河内デザイナーのFPTの応募動機は周りからの後押しだった。「アワードの存在は知っていたが、最初は応募するつもりはなかった。しかし、周りから背中を押してらう中で、ショーをすることがブランドの表現の可能性も広がると考えた」という。

 7年目の「マメ」はこれまで展示会をベースにコレクションを発表してきた。ブランドの強みは、女性の身体のラインを美しく見せるカッティングと繊細な刺しゅう。そのディテールを間近で見てもらえるよう、「まずは商品を手にとって見ていただき、近い距離でお客さまに商品を判断してもらいたいと思ってきた」と説明する。

海外の展示会で聞かれ続ける
“何でショーをしないの?”の問い

 すでに3年間、パリやニューヨークで展示会を行い、海外でショーを行う必要性を実感することがあったという。「『何でショーをしないの?』と聞かれることが多かった。特に海外での販売は内外価格差があり、価格帯はデザイナーズブランドと同じくらい。『ショーをしていないとデザイナーズのゾーニングに置けず、どのフロアで販売できるかわからない』と言われてきた。海外のビジネスを広げる上で、デザイナーズの売り場で見せられるように頑張らないといけないと感じてきた。また、サイズ展開の大切さを知り、少しずつ増やしている。ショーで発表することでさらにマーケットが広がってくことを仮定すると、より今以上のサイズ展開が必要になる」。現在の取り扱いは国内で約60アカウント、海外は約10アカウント。国内では安定した卸先を持つが、海外ではまだまだ拡大の余地がある。

 黒河内デザイナーは現在、初のパリコレで披露するコレクションを制作中だ。プライズの受賞結果を知る前から制作はすでにスタートしていた。「今、仕込みの真っ最中。これまでのお客さまをはじめ、お世話になっている工場の方々や『マメ』に携わるさまざまな方たちのことを思うと、もの作りやデザインの方向性が変わってはならない。大きくデザイン変更はせず、本当に『マメ』の表現として正しいのかを冷静に判断した上で、ショーピースのような服を作り、『マメ』らしい表現を模索したい」。

重視するのは
ショーの先にあるビジネス

 パリコレへの参加についても冷静だ。「このプライズを受賞できて大変光栄に思うが、ショーをすることだけが私たちの目的ではない。その先にあるビジネスと、買ってくださるお客さまのことを考えたブランドであるべき。今7年目で、これから10年以上と続けると考えている中で、会社としての成長は止めたくないが、数字を追いすぎることはしたくない。今後ブランドが不調になることも考えられる。そういう時のために精神力が強いブランドにしていきたい」と話した。