シャネル(CHANEL)の2025年12月期決算は、売上高が前期比3.0%増の192億6900万ドル(約3兆445億円)、営業利益は同5.2%増の47億1200万ドル(約7444億円)、純利益は同14.3%減の29億1300万ドル(約4602億円)だった。
地域別の売上高では、欧州が同6.7%増の60億5400万ドル(約9565億円)、南北アメリカは同6.4%増の40億3300万ドル(約6372億円)と増収。アジア太平洋地域は日本と韓国が堅調だったものの、中国市場の停滞が響き、同0.6%減の91億8200万ドル(約1兆4507億円)だった。
なお、25年4月に就任したマチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)=アーティスティック・ディレクターが10月に披露したデビューコレクションは好評を博しているが、26年3月上旬から店頭に並んだため、売り上げは同年12月期に反映される。
リーナ・ネアー(Leena Nair)=グローバル最高経営責任者は、「25年も素晴らしい業績を上げることができてうれしく思う。これは長期的な目線での事業運営やサヴォアフェール(伝統的な技術の継承)への投資を続け、ブランド独自の魅力を開発し、世界中の顧客に最高の体験を提供していることによるものだ。当社の事業は軌道に乗っており、今年およびそれ以降のビジネスについても自信を持って進めていく」と語った。
店舗数は引き続き増加
同社は地政学上の先行き不透明感や厳しい市場環境を踏まえ、25年は設備投資額を同17.4%減の14億4900万ドル(約2289億円)に縮小した。しかしフィリップ・ブロンディオ(Philippe Blondiaux)最高財務責任者(CFO)によれば、24年における不動産取得分を除くと同6.0%増となり、その他の分野への投資額はむしろ増加したという。具体的には、株式40%を保有するレザーグッズメーカー、レナート・コルティ(RENATO CORTI)の過半数株主となったほか、シルクメーカーであるマンテロ・セタ(MANTERO SETA)の少数株式を取得。また、フレグランスの製造工場にも投資したと述べた。
販売網も拡大し続けており、24年12月末時点での644店から、25年はさらに41店を追加。内訳はファッション専門のブティックが7店、ウオッチ&ジュエリーは8店、フレグランス&ビューティは26店だった。26年は30店をオープンする予定で、そのうちファッションは9店、ウオッチ&ジュエリーは5店、フレグランス&ビューティは16店となっている。
マチューの就任を機にデザインスタジオを拡充
「シャネル」はまた、ブレイジー=アーティスティック・ディレクターの就任を機に、デザインスタジオを拡充。新たに30人を採用し、オートクチュール、プレタポルテ、そしてメティエダールとクルーズの3チームを編成した。これは1983年に故カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)氏がブランドに加わった時以来の大幅な組織改編だという。
ブロンディオCFOは、「経営陣が行うべきは、クリエイターが創作するための最高の環境を整え、彼らがベストの状態でいられるようし、その才能が大きく花開くようにサポートすることだ」とコメントした。