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井浦新 × 市川実和子が語る映画「トロフィー」 新鋭・孫明雅監督が描く「在日コリアン」という枕詞を超えた“家族の物語”

PROFILE: 右:井浦新/俳優 左:市川実和子/俳優、モデル

PROFILE: 右:(いうら・あらた)1974年9月15日生まれ、東京都出身。1998年映画「ワンダフルライフ」で初主演。以降映画を中心にドラマ、ナレーションなど幅広く活動。近年の主な出演作に「福田村事件」(23)、「東京カウボーイ」(24)、「岸辺露伴は動かない 懺悔室」(25)、ドラマ「アンメット ある脳外科医の日記」(24)、Netflixシリーズ「イクサガミ」(25)など。また映画館を応援する「ミニシアターパーク」、アパレルブランドのディレクター、サステナブル・コスメブランドのファウンダーを務めるなど、その活動は多岐にわたる。 左:(いちかわ・みわこ)1976年3月19日生まれ、東京都出身。モデルとして活動を開始し、2000年に「アナザヘヴン」で映画デビュー。以降、俳優としても多数の映画やテレビドラマで活躍。直近の主な出演作に、映画「ちょっと思い出しただけ」(22年)、「ちひろさん」(23年/Netflix)、ドラマ「ブギウギ」(23年/NHK)、「僕達はまだその星の校則を知らない」(25年/CX)、「人間標本」(25年/Prime Video)、「地獄に堕ちるわよ」(26年/Netflix)などがある。

在日コリアン4世であるソヒは、朝鮮学校で朝鮮舞踊に打ち込む14歳の少女。あるとき彼女は、大好きなBTSのライブチケット代を稼ぐため、父が祖国・北朝鮮から授与された勲章を売ってしまい——とある少女とその家族の日常を通して、世代間の価値観やアイデンティティーの違い、そして思春期のきらめきと揺らぎを描く映画「トロフィー」が7月10日に公開された。

メガホンをとるのは、是枝裕和監督率いる制作会社「分福」に所属する孫明雅(そん・みょんあ)監督。在日コリアン3世であり、朝鮮学校に通っていた自身の体験を出発点にした本作で長編映画デビューを果たした。主人公のソヒを演じるのは250人から選ばれた新星・恒那(ハンナ)。そしてソヒを見守る父・サンジュを井浦新、母・ミリョンを市川実和子がそれぞれ演じる。

モデル時代から互いを知る2人は、30年近い時間を経て、本作で夫婦役として向き合った。台本を読んだ時に感じた魅力、恒那、千就(せな)ら若い俳優たちと作り上げた家族の空気、そして在日コリアンの“今”を描く物語をどう受け止めたのか。井浦と市川に話を聞いた。

「一人の少女の青春の物語」であり、「家族の物語」

——お二人は本作のどういった部分に魅力を感じてオファーを受けようと考えたのか、教えてください。

井浦新(以下、井浦):まず、孫監督が台本と一緒にお手紙を送ってくださったんです。きちんと紙を選び、鉛筆の濃度や封筒まで選んで、時間をかけて書いてくださったことが伝わる手紙でした。そこには、監督がどういう想いで本作の台本をつくってきたのかが綴られていて。孫監督の師匠にあたる是枝裕和監督も、演者にお手紙を書かれる方なんです。だから、その手紙にもどこか是枝さんから受け継がれているものを感じましたし、そうした姿勢がまずすごく素敵だなと感じました。

その手紙を読んでから台本を読んだので、監督の想いを知った上で物語に触れることになりました。正直、読む前は少し不安もあったんです。監督自身の身の上話のような「こんなに大変だったんだ」という部分が色濃く出ていたらどうしよう、と。でも実際に読んでみると、本当にまっすぐで、キラキラしている一人の少女の青春の物語だった。そしてその少女が帰る家には家族がいて、そこには家族の物語もある。

もちろん、一つひとつの要素をクローズアップしていけば、国籍や差別、社会問題、地域の課題など、さまざまな要素に触れることもできる作品だと思います。ただ、そうした要素を含みながらも、あくまでお隣に普通に住んでいる、ある家族の物語でしかない。そこに僕はものすごく大きな可能性を感じました。実際、台本を読みながら「どこにでもある家族の問題や課題を、少しだけ覗(のぞ)き見している」ような感覚があったんです。お隣さんの声が聞こえてしまって、ちょっと恥ずかしくなるような。そういう実に身近な家族の物語を、この台本では描けるんじゃないかと思ったのがオファーを受けた大きな理由です。

市川実和子(以下、市川):私は真逆なんです。何の前情報もない状態で台本を読んで、最初に思ったのは「可愛い!」ということでした。単純に「なんてキラキラしたお話なんだろう」と感じて、私もその一端になれたらいいなと思ってお受けしました。それで監督に初めてお会いした時に台本の感想を訊かれて、「すごく可愛かったです」と答えたら「可愛い?」って反応が返ってきて(笑)。確かに普通に考えれば、お父さんのことをはじめいろんな苦労もあって、少しドロドロとした部分もある。でも私は、それも全部含めてただただ「可愛い」と思ったんです。

それで今日こうしてお話ししながら、どうしてあの時あんなに「可愛い」と感じたのかを考えていたら、やっと理由が分かりました。きっとそれは自分自身がそうだったから。私にもソヒのようにぐちゃぐちゃで、ドロドロしていた思春期があった。当時はそれを暗闇のように感じていたけれど、今の年齢になって振り返ると「あの時期はこんなに可愛く輝いていたんだ」と思えたんです。そうやって自分自身のことも、この映画で少し認めてあげられたような気がして。今日、改めてそのことに感動してしまいました。

——お二人は以前から長いお付き合いがあると思いますが、その関係性は今回の夫婦役にも影響しましたか?

市川:そうですね。新くんとの関係は、もう30年ものですから。

井浦:30年、発酵させてるもんね(笑)。

市川:出会ってからの年月があるので、本当にそこには助けてもらったなと思います。

井浦:助けてもらったなんて。でも実はこの作品に参加する上での大きなモチベーションの一つが、実和子ちゃんと夫婦役を演じられることでした。2人でしか表せないものができちゃうなと思ったんです。以前に舞台でも共演したことはあるんですけど、僕にとってはそれが初舞台だったこともあり、緊張であまり記憶がないんです。お互いモデルとして活動していた頃に出会って、俳優として初めて一緒に立った舞台だった。でも当時の自分にとって、舞台という場所はあまりにもプレッシャーが大きくて。

だから今回は、ちゃんと映画で、しかも夫婦役として共演できることがすごく大きかった。夫婦としての関係性も作らなければいけないし、家族としても共同作業をしていかなければいけない。そういう課題の多い役を、初めましての状態からいきなり作るのは、もちろん俳優ならできることではあると思うんですけど、やっぱり難しさもあると思うんです。

でも実和子ちゃんとは、毎日会っていたわけではないにしても、10代、20代の頃から知っている。その頃から積み重なってきた感覚や時間を、この夫婦に活かせるんじゃないかと思いました。具体的に何を活かせるのかは言葉にしづらいんですが、きっとそこには、僕たちだから作れる夫婦像がある。だから実和子ちゃんと夫婦役を演じられることは、「トロフィー」に出演することの、すごく大きなモチベーションになったんです。

市川:ありがたいです。

井浦:ちなみに実和子ちゃん、現場でもずっと「可愛い、可愛い」って言ってたよ。

市川:言ってたっけ。最近もう上手く言葉が出てこなくて。「可愛い」と「やばい」しか言ってない(笑)。

ソヒ役・恒那の“大物感”

——ソヒ役の恒那さんも本当に素敵でした。本作が初主演とは思えないほど、佇まいも堂々としていて。

市川:最初は本当にびっくりするぐらい儚げに見えたんですが、蓋を開けたら、いい意味で“おっさん”でした(笑)。すごくしっかりしているんですよ。女優さんって、内側にどっしりした“おっさん”のようなものを持っている方が多いじゃないですか。肝が据わっているというか。そういう大物感を、恒那ちゃんにはすごく感じました。

——今後が楽しみな俳優ですよね。

井浦:楽しみなのか、怖いのか(笑)。

市川:恐ろしいです(笑)。ああ見えて、どっしりしすぎていて。でも、だからこそ家族の中にも自然にいられたんだと思います。変に恐縮するでも、萎縮するでもなく、そのままドンといてくれた。だから私たちもすごくやりやすかったです。

井浦:本当にすごくやりやすかったね。我々もお父さんとお母さんの役だからといって、本番前から何かを作り込まなきゃいけないという感じではなく、とても自然に入り込むことができた。

市川:弟役の千就くんも、子犬のように懐いてきてくれて。2人とも本当によくできていて、すごく助けられました。

井浦:家族のフォーメーションはとにかく良かったです。

——自然に入り込んだ、ということは夫婦や子どもたちとの距離感も特に意識してつくり込むことはなかったんですか?

市川:そうですね。あんまり意識してないです。

井浦:ですね。「お父さん役だからこういうふうにしていかなきゃ」というのは本当になくて。現場で恒那さんとも千就くんとも普通に話していて、そのまま「じゃあ次のシーン、テストをやってみよう」と入っていく感じでした。ギアを入れるというより、本当に自然な状態でいられたと言いますか。だからこそ、映画の中では描かれていない家族の時間も、現場で自然とイメージできたような気がします。「こういう家族なんだろうな」と思えたというか。一つ屋根の下で暮らしてはいるけれど、それぞれがそれぞれのやりたいことをやっている。それって、ごく普通の家族のあり方じゃないですか。現場でもそんな空気がありました。

——確かに家族の雰囲気がとても自然で、友達の家に行った時に感じるような空気がありました。

井浦:それはすごく嬉しいです。そう感じてもらえたなら。

市川:積み重ねてきた時間と、子どもたちに助けてもらいましたね。

それぞれの役を演じるにあたって

——お二人が演じたサンジュとミリョンは、バックグラウンド自体が細かく語られるわけではありませんが、その背景にさまざまなものが浮かび上がる役でもありました。それぞれのキャラクターを、どのように捉えて演じたのでしょうか。

井浦:サンジュについては、台本を読んで、そこに書かれているものをそのまま受け取っていった感じです。深読みしようと思えばできると思うんですけど、サンジュの場合は、すでに台本の中に現れているものが結構あった。だから、そこで十分に「サンジュはどういう人なのか」は見えていました。

あとは現場で、ミリョンとの温度感だったり、ソヒにどれくらい嫌われているかだったり。あらかじめつくり込んで持っていくというより、現場で生まれてくるものがほとんどでした。最初、「ソヒはお父さんのことをどれくらい嫌いなのかな」と考えていたら、恒那さんは結構嫌いなところからスタートしてくるんですよ。「最初から目を見ないんだ」と思いましたし、お父さんと話す時はいつも眉間にしわを寄せている。そこで「すごく嫌いなんだな」「もう鬱陶しがられているんだな」と感じるんです。

そうすると、それは今その瞬間に生まれたものではなく、これまでの積み重ねの結果なんだと思えるんです。そうなった時に、サンジュには鬱陶しがられるだけの要素が必要になってくる。そこから、だんだんとサンジュの芝居がデリカシーのなさに向かっていくんです。でもそのデリカシーのなさも、「お父さんだから」と甘えてきているからこそのもの。だからこそ、家族の関係性も自然と見えてくる。

男尊女卑ということではないと思うんですけど、自分の仕事の忙しさにかこつけて、家族に甘えてしまっている。そういう“昭和のお父さん像”のようなものは、台本を読んでいる時からなんとなく見えていました。そこに今の時代の、この4人で作れる温度感を重ねていく。そうすれば自然に厚みも生まれていくだろうという感覚は初日からありました。

——ライブ感のある現場だったんですね。

井浦:そうですね。ライブ感はありました。テストを何度も重ねるわけではなく、1回、2回やって、「じゃあ本番をやりましょうか」という感じだったので。本当に瞬間瞬間で感じたことをお互いにキャッチし合いながら、育っていくような現場でした。

——市川さんは、ミリョンという役をどのように捉えていましたか。

市川:いろんなことを考えましたね。在日コリアンという背景だったり、朝鮮学校という場所だったり。近いけれど遠い存在でもある。見えないからこそ、どうしたらいいんだろうとすごく思いましたし、今でも思っています。もしかしたら失礼なことをしてしまうんじゃないか。何かを踏みにじってしまうんじゃないか。大事なものを傷つけてしまうんじゃないか。そういう不安はやはりありました。

でも監督にこの物語の背景についてお話を聞いた後に、その根底にあるのは人の心だと感じたんです。だから「あまり深く考えずにやってみてもいいのかもしれない」と思いました。特にミリョンは日々、目の前の雑務をこなし続けているお母さんなので。彼女と同じようにとにかく目の前のことを、一生懸命やってみようと思いました。

新人・孫明雅監督とベテラン撮影監督・山崎裕

——孫監督自身も在日コリアン3世ですが、その経験について、お二人に共有されることはありましたか。

井浦:いろいろ話してくださいました。そこで感じたのは、例えば、僕がこれまで映画などを通して見てきた在日コリアンの物語や、そこから抱いていたイメージは、今ではかなり変わってきているのだということ。3世まで来ると、これまでの韓国や北朝鮮を題材にした映画で描かれるような在日に関する大きな問題はあまりなくなってきている、ということも言っていて。みんなが思うほど過酷な過去や蔑まれた経験もないそうなんです。もちろん1世代、2世代前にはあったかもしれないけれど、今はこの映画のように、国籍などに関係なく共通の好きなものを話し合える。当たり前に一緒に遊んだり、食事に行ったりする。音楽も「こういうものを聴きなさい」と教え込まれるのではなく、自分の好きなものを聴いている。監督は「本当にそんな感じなんです」と話してくれました。

市川:私は知らないことがたくさんありました。親友に在日の子がいるので、自分では知っているつもりでいたんです。その子は九州の出身で、東京にいる私とはまた違うかたちで、自分のルーツや周囲からの見られ方を意識する場面があったと聞いていました。ただそれでもまだ知らないことばかりだと今回で実感しました。例えば、朝鮮学校に通っている子には北朝鮮につながりを持つ家庭の子が多いということも、私は全く知らなかった。

でも私の親友は朝鮮語を全く話せないし、私と変わらない感覚で生きているので、「そんなものだよな」とも思うんです。その一方で、自分のルーツについてずっと悩んでいて、大人になって初めて人に打ち明けたという人の話を聞いたこともある。一概に言えるわけではなくて、生まれた場所や育ってきた環境によって本当にいろいろあるんだろうなと思いました。

——本作は孫明雅監督の長編初監督作品でもありますが、現場でご一緒されていかがでしたか。

井浦:印象的だったのは、撮影監督である山崎裕さんと孫監督のコンビネーションですね。山崎さんとは、僕のデビュー作である「ワンダフルライフ」(99)でご一緒して以来、いくつかの現場でお会いしていて。日本を代表する撮影監督の一人だと思っているんですが、その山崎さんと新人監督である孫さんが、現場でやり取りしている姿がすごく面白かった。それこそ、「ワンダフルライフ」で是枝監督が山崎カメラマンを乗りこなしていた時の感覚を思い出したんです。その時はまだ長編2作目だった是枝さんが、歳が離れてイケイケだった山崎さんとやり合いながらも手綱を握っているような瞬間があった。今回は、その“今版”を見ているような気がしたんです。

山崎さんは目をつぶっていても撮影できるのではと思うくらい、神がかったカメラマンだと思うんです。その人の手綱を孫監督が握っていて、山崎さんも監督がやりたいことを一緒になって考えている。その姿を見るのは、すごく感動的でした。僕がこれまで見てきた山崎さんだったら、監督が考え込んでいるうちに苛立って「もう撮っちゃうよ」となることもあったはず。でも今回は監督から何かが出てくるまで、ずっと待っていた。その二人三脚がとても良かったです。それはきっと、孫監督だから生まれた関係性なんだろうなと思います。監督が違えば、また違う山崎さんが出てきていたかもしれません。

市川:私は山崎さんとご一緒するのは初めてでしたが、孫さんは違うと思った時には、大先輩相手にもちゃんと「そうじゃなくて」と伝えるんです。山崎さんとも、しっかりやり取りしているなと思いながら見ていました。すごく控えめな方なのに、絶対に自分を曲げないし、揺るがないんです。そして山崎さんの側にも、孫さんが書いた物語を尊重している感じがあって、互いにリスペクトがあるのが伝わってきました。本当にいいコンビでした。

井浦:本当にいいコンビだったよね。監督は曲げないけれど、分かりやすく我が強いということでもない。いわゆる「作家性が強い人」という言葉で片づけられる感じでもないんです。すごく穏やかで柔らかいんだけど、引かない。

市川:引かないし、意思が硬い。自分がやりたいもの、目指しているものをきちんと見据えているから、現場もしなやかに進んでいくのかもしれませんね。

「世界平和」と家族

——本作は、今を生きる在日コリアンの人々の姿を描いた作品としても紹介されています。お二人はこれから本作を観る人に、ソヒたち家族の物語をどのように受け取ってほしいですか。

井浦:もちろん思うことはあるんですけど、こちらが「こう受け取ってほしい」と言いすぎると、観る人の感じ方を制限してしまいそうで怖いんです。受け取り方は、本当に観た人の数だけあると思います。家族の数だけ問題があるのだとしたら、この映画の受け取り方も、それぞれの人にあるはずなので。実際、僕と実和子ちゃんでさえ、台本を読んだ時の印象が最初から違っていたんです。そこがすごく面白いなと思っていて。僕は最初から「キラキラしている」と感じたわけではなく、現場でソヒの成長を見ていく中で、「これはソヒがこんなに輝く物語なんだな」と気づいていきました。正直、ソヒが苦しんでいる場面でさえ、僕にはキラキラして見えたんです。

だからこそ「こういうふうに見てください」とは言いづらい。ただ僕自身は、とても普遍的な物語だと思っています。「在日コリアン4世の女の子の青春」という言葉で紹介されがちな映画だと思いますが、なんなら僕はその枕詞をいったん取っ払って、「一人の少女とその家族の日常」として観てもらってもいいと思っています。人が生きていれば、どんな家にも必ず何かしらのドラマがある。この映画は、それを少し覗き見するような作品でもある。そして観終わったあとに、自分の家族や大切な人たちと重ね合わせることができる。そういう普遍性がこの映画にはあると思うんです。自分がソヒの年齢だった頃のことを思い出したり、「うちのお父さんもこうだったな」と感じたり、「あれが嫌だったな」と思い返したり。そういうものが、たくさん散りばめられていると思うので、まずはあまり枕詞にとらわれず、一つの家族の物語として楽しんでもらえたら嬉しいです。

市川:「北朝鮮」や「在日コリアン」という言葉があると、少しセンシティブに感じたり、そこで引っかかったりする人もいるかもしれません。でも私は今回この映画に携わって、少し違う景色が見えた気がしたんです。同じ感情を持って、同じ時間軸を生きている。すぐ近くにいる体温を持った人間の物語として見た時に、自分の中にあった壁のようなものを、感情の部分で少し越えられたような気がしたと言いますか。それを簡単に言うと、「世界平和」みたいな言葉になってしまうんですけど(笑)。けれどこの映画は、少しでもみんなが丸くなっていくきっかけになるかもしれない。これまでとは違う風景が見えてくるきっかけにもなり得る作品だ思うので、たくさんの人に観てもらえたら嬉しいです。

井浦:世界平和って、やっぱり家族から生まれるような気がします。家族が幸せで、平和であれば、それが隣の家にも、そのまた隣の家にも連鎖していくかもしれない。そうやって国を越えていけば、結局は世界平和につながっていくんじゃないかと思うんです。家族が平和であること、幸せであることって、すごく大事なんだろうなと。

市川:日本の中でも、ルーツをめぐってすれ違ったり、揉めたりすることがありますよね。でもこの映画が、そんな色眼鏡の色を少し薄くするきっかけにもなるんじゃないかなと期待しています。

PHOTOS:TAKUYA MAEDA(TRON)
STYLING:[ARATA IURA]KENTARO UENO [MIWAKO ICHIKAWA]HIROKO UMEYAMA
HAIR & MAKEUP:[ARATA IURA]ERIKO YAMAGUCHI [MIWAKO ICHIKAWA]CHINONE HIROMI

[ARATA IURA]ジャケット 15万1800円、シャツ 8万6900円、パンツ 10万7800円/フランク リーダー(マッハ55リミテッド 03-5846-9535)、その他スタイリスト私物[MIWAKO ICHIKAWA]シャツ 69万9600円、パンツ 22万円、シューズ 参考商品、ピアス 14万800円、リング(シルバー)10万100円、リング(ゴールド)15万700円/全てボッテガ・ヴェネタ(ボッテガ・ヴェネタ ジャパン 0120-60-1966)

映画「トロフィー」

◾️映画「トロフィー」
全国公開中
監督・脚本:孫明雅
出演:恒那 / ちすん 笠松将 / 市川実和子 / 井浦新
音楽:Yonrimog 
撮影:山崎裕 
照明:山本浩資 
プロデューサー:小出大樹 
製作・配給:K2 Pictures 
企画:分福  
制作プロダクション:K2 Pictures Production
©️2026 K2 Pictures
https://k2pic.com/film/trophy/

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