「シャネル(CHANEL)」はこのほど、バッグの製造工程を初めて公開した。近年、ラグジュアリーブランドではインフレ加速や原料の高騰などを背景に値上げが続いており、「シャネル」も例外ではない。しかし、ラグジュアリーセクターは2023年から需要が世界的に“正常化”し、24年には減速傾向に。同社のブルーノ・パブロフスキー(Bruno Pavlovsky)=ファッション部門プレジデント兼シャネルSASプレジデントは、商品価格が適正であることを示すには透明性が重要と考え、製造現場の公開に踏み切ったと話す。ここでは、アイコニックな「シャネル」“11.12”を製造する様子や、同ブランドの価格改定の方針などについてまとめた。(この記事は「WWDJAPAN」2025年5月12日号からの抜粋です)
「シャネル」は、ラグジュアリーセクターの中でも値上げ幅が大きいブランドの一つだ。例えば、アイコンバッグである“ミディアム クラシック フラップ(Medium Classic Flap)”は、米国で2019年には5800ドル(約82万円)だったが、21年1月には6800ドル(約97万円)、同年7月には7800ドル(約111万円)、22年2月には8800ドル(約125万円)に値上げされ、25年には1万800ドル(約154万円)とついに1万ドル(約143万円)の大台を超えた。これは19年との比較で86%増とかなりの値上げ幅であり、価格帯としては「エルメス(HERMES)」の人気モデル“バーキン(Birkin)”の最低価格と同水準に達している。
パブロフスキー=プレジデントは、「『シャネル』は最高級の素材や卓越したノウハウを必要とする高付加価値の商品を提供しているが、それは広範囲かつ膨大な訓練を積んだ大勢の職人たちに支えられている。なぜ当ブランドの商品がこれほど高額なのか、その理由をきちんと見せて説明しなければ人々に伝わらないと考えた」と語る。
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