米ブランド管理会社WHPグローバル(WHP GLOBAL以下、WHP)は5月15日、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)が擁する「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」を買収することに合意した。取引は秋頃に完了する予定で、創業デザイナーであるマーク・ジェイコブス=クリエイティブ・ディレクターは続投するが、今後のブランド運営に関する詳細は明かされていない。ここでは、米国証券取引委員会に提出された文書などから現時点で分かることをまとめた。
買収額は1470億円規模か
取引の完了後、WHPは「ダナ キャラン ニューヨーク(DONNA KARAN NEW YORK)」などを擁するG-IIIアパレル・グループ(G-III APPAREL GROUP以下、G-III)と半分ずつ出資して新たな合弁会社を立ち上げ、「マーク ジェイコブス」ブランドを共同で保有する。
G-IIIは合弁会社と米国、カナダ、メキシコ、西欧における「マーク ジェイコブス」ブランドおよび関連する知的財産(IP)の独占ライセンス契約を締結するほか、運営事業を買収。直営店やECの運営に加え、ウィメンズ、メンズ、ハンドバッグ、革小物、フットウエア、スイムウエア、ラゲージ、防寒用アイテムなどの販売、卸、物流、宣伝を行う。WHPはライセンス事業を担い、その他の地域でも別途ライセンシーを探して契約するものと見られている。
合弁会社への出資額は、双方とも最大4億2500万ドル(約675億円)となっている。G-IIIは総投資額をおよそ5億ドル(約795億円)とプレスリリースに記載していることから、運営事業の価値を約7500万ドル(約119億円)と見積もっているようだ。これらを踏まえると、「マーク ジェイコブス」の買収額は9億2500万ドル(約1470億円)規模と推測される。
合弁会社とG-IIIのライセンス契約は最長2091年まで
「マーク ジェイコブス」の取締役会は5人となっており、WHPはそのうち3人を、G-IIIは2人を任命できる。取締役会会長には、WHPのイェフダ・シュミッドマン(Yehuda Shmidman)創業者兼会長兼最高経営責任者が就任する。
WHPとG-IIIは少なくとも3年間は合弁会社の持分を保持する必要があり、その後に売却する際には、相手側に優先的に買い取る機会を提供しなければならないという。なお、合弁会社とG-IIIのライセンス契約は2041年までとなっているが、以降は5年ごとに10回の自動更新が設定されている。これが全て更新された場合、契約は91年までとかなり長期にわたり続くこととなる。