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連載 中国電脳コマース最新情報 第29回

ラグジュアリー百貨店「北京SKP」が首位陥落、デフレ中国が如実に

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ネット通販やライブコマース、スマホ決済、ゲームなど、次々と世界最先端のテクノロジーやサービスが生まれている中国。その最新コマース事情を、ファッション&ビューティと小売りの視点で中国専門ジャーナリストの高口康太さんが分かりやすくお届けします。今回のテーマは、「北京SKP」。全館がまるで「ジェントルモンスター」のように館中に現代アートを起くなど中国のラグジュアリー市場を象徴する存在として、一時期は中国のみならず世界ナンバーワンの称号を獲得した「北京SKP」に異変が訪れています。一体何が起こっているのか。日本のわれわれは何を教訓にすべきか、を考えます。(この記事は「WWDJAPAN」2026年4月20日号の転載です)

ラグジュアリーで世界No.1を獲った百貨店「北京SKP」の苦戦

「中国のデフレは長期化の気配を見せている。中国政府は3月の全人代(全国人民代表大会、日本の国会に相当)で、2026年の重要政策目標の一つに物価をプラス成長させると表明し、デフレ退治への決意を示した。かけ声は立派だが、具体的に実効性のある対策が打てるのかは未知数だ。不動産価格の下落による中国人の保有資産の減少。加えてデフレが続く。こうした中、中国小売業界のトレンドは大きく変化している。このことは本連載でも繰り返し取りあげてきた。今回は大型複合ビルやショッピングモールなど、いわゆるショッピングセンター(SC)と日本企業への影響、そしてデフレ中国での勝ち筋について紹介したい。

北京東部にそびえ立つ高級SC「北京SKP」。2020年に売上高177億元(約4071億円)で世界一の座に君臨した。空間をぜいたくに使い、火星に移住した未来の人類をモチーフとしたセットを組むなどラグジュアリー感が満載で、買い物のみならず北京旅行では定番の観光地として定着している。

その北京SKPが苦しんでいる。24年に売上高は220億元(約5060億円)、前年比17%減と大きく沈み、中国トップから陥落した。いったい何が起きたのか。集客自体には大きな落ち込みはない。週末や祝日ともなれば、ごった返しになるほどのにぎわいだが、それでも業績は振るわない。問題は集客ではなく、集まった客が購買しないことにある。ウインドーショッピングし、写真を撮ってSNSに上げて、それで満足。そういう客が増えているのだ。中国小売業界専門メディアの「聯商網」による大手SCの報告書によると、客数の増加に売り上げの増加が伴っていないケースが目立つ。北京五棵松万達広場は15%の増収に対し、客数は21%増。杭州湖濱in77は売上高5%増に対し、客数は6%増。全体としては財布のひもはかたい。

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