フランス・パリで2016年に設立されたレザーグッズブランドの「ポレーヌ(POLENE)」が、世界への出店を加速している。9月にはドイツ・ハンブルク、11月にはデンマーク・コペンハーゲンに新たなショップをオープン。11月30日には、中国・北京の三里屯太古里にも2フロアからなる店を開き、現在はパリに3店舗、東京、ニューヨーク、ロンドンなど世界に10店を構えるまでになった。さらに、26年1月にはイタリア・ミラノへの出店も予定する。
「ポレーヌ」を象徴するのは、パリ本社のデザインスタジオで働くデザイナーとスペイン南部のウブリケにあるアトリエの職人たちの対話によって生み出されるレザーバッグ。デザイン性と品質、高くても10万円前後という手の届きやすい価格のバランスの良さで、グローバルに人気を集めている。また、23年には自然からヒントを得た有機的なフォルムが特徴のジュエリーコレクションもスタート。アイテム生産時に出るレザーの端切れを再利用したアップサイクルプロジェクトにも積極的に取り組んでいる。
そんなブランドの世界観の表現において重要な役割を果たしているのが、ラグジュアリーな雰囲気漂うショップだ。店舗ごとに異なるデザインを採用しているのが特徴で、それぞれ現地のエッセンスを取り入れている。例えば、北京店はフランスの建築様式を基調にしながら、北京の伝統的な格子細工から着想した透かし模様を取り入れたり、青檀の樹皮と稲わらを原料とする宣紙を用いたりすることで中国の伝統美を融合。一方、コペンハーゲン店はカラーの花をインスピレーション源に花びらのようなアーチ天井や半円を描く曲線を生かした空間を作り、そこに協働した現地の職人やアーティストによるインテリアを配した。また、ブランドのサヴォアフェールやモノ作りへの姿勢を感じられる体験型スペースを設けているのも、近年オープンした店舗の特徴になっている。