
「エルメス(HERMES)」は10月4日、2026年春夏コレクションをパリで発表した。会場にはブランドの真骨頂であるレザーに身を包んだゲストが集い、それぞれが「エルメス」を自分らしく解釈した装いで来場した。ジャケットはややゆったりとしたサイズ感で、ブルゾンはコンパクトに、ロングコートは風をはらむようなオーバーサイズでといったように、シルエットのバランス感はさまざまだ。そこにペンシルスカートやワイドパンツを合わせることで、流れるようなラインを描く。ウエアのバリエーションは豊かだが、細めのベルトによるウエストマークが、全体に統一感とリズムをもたらしていた。多くのゲストが携えていたのは、不朽の名作“バーキン“と”ケリー“。なかでも今季は、よりクラシックな表情を見せる“ケリー“がやや優勢だったようだ。
そして今季を特徴付けたのは、レザーに並ぶ「エルメス」のシグネチャーである正方形のシルクスカーフ“カレ“の多彩な使い方。首元で結ぶ定番スタイルだけでなく、首から垂らしてベルトとともにウエストを締めたり、ジャケットの上からたすきがけにしたりと、自由で軽やかなアレンジが目を引いた。髪の三つ編みに巻き込むなど、“カレ“が新しいアクセサリーのように変化して、それぞれの個性を際立たせている。今季のランウエイでは、“カレ“とレザーのボディーハーネスがキーアイテムとして登場。クラシックとモダンが交差する冒険心あふれるスタイリングが披露され、伝統を軽やかに更新するその姿に、ゲストもインスピレーションを得たに違いない。