ファッション

【インタビュー後編】アクセサリートレンドの台風の目シャーロット・オリンピアが語る

 英国発のシューズ&アクセサリーブランド「シャーロット オリンピア(CHARLOTTE OLYMPIA)」が好調だ。ウィットに富んだデザインと、メード・イン・イタリーのクオリティが魅力で、セレクトショップを中心に販路が広がっている。その理由は、ウエアラブルなベーシックウエアが売れ筋の核になる中で、「売り場の雰囲気がぐっとモードになるから」(有力セレクトショップバイヤー)。感度の高い人を中心に人気を集め、店頭でも動き始めている。先日、松屋銀座で開催したイベントのために初来日したシャーロット・オリンピアに話を聞いた。

シグニチャーの蜘蛛の巣は児童書「シャーロットのおくりもの」から

 シグニチャーであるゴールドの蜘蛛の巣は、英国や米国で広く知られる児童書「シャーロット・ウェブ(邦題:シャーロットのおくりもの)」から。納屋に住む子豚のウィルパーと蜘蛛のシャーロットの友情を描いた物語だ。無邪気に牧場で暮らしていた子豚のウィルパーが、いずれ肉にされる運命だと気付く。そんなウィルパーを蜘蛛のシャーロットが救うという話だ。「幼い頃からずっと好きだった物話で、自分のブランドを持つ時にロゴにしたいと思っていたの。名前も一緒だから(笑)。ユニバーサルに知られていて、ティピカルでトラディショナル、そしてお話が美しいでしょ?」。ちょっとシニカルでファンタジー溢れる世界観は、シャーロットのクリエイションと重なる。もっともよく知られているネコモチーフのシューズ"キティ"やハート型のプラットフォーム、クラッチバッグ"パンドラ"などの定番アイテムに加え、毎シーズン提案される、思わず笑えるキッチュでポップなアクセサリーたち。また、ロンドンやニューヨーク、ビバリーヒルズなどにある旗艦店を見てもシャーロットワールドが広がっている。各店には人形アーティストのアマンダ・フェッサレイジとコラボして作られた人形と、陶器のヒョウ"ブルース"がいて、人形には名前もある。「ロンドン店の人形はルックブックの撮影に登場してくれるモデル"コーシャ"の名前をもらったの。LAは"ビバリー"、香港はお茶の"ジャスミン"。日本に連れてきたこの子は、まだ名前がないの。何がいいと思う?(笑)」。 

 彼女のクリエイションは、英国的ユーモアに溢れていると同時に、クラシカルで洗練された雰囲気を持ち合わせている。それは、細部にまで宿るメード・イン・イタリーによる確かなクオリティによるところも大きい。大人が持てるキッチュ&ラグジュアリーなアクセサリーとして人気を博し、日本では、伊勢丹新宿店、松屋銀座の直営店、ロンハーマンやビオトープ、アクアガールなどのセレクトショップ11店舗で取り扱い、取引額も増えている。そしてそのクリエイションをさまざまなブランドが追いかけ、シャーロットはトレンドセッターのひとりになった。「楽しいものが増えるのはとってもいいことよね。トレンドと意識したことはないけれど......。私が好きなもの、1940〜50年代のオールドハリウッドの世界観は変わらないの。例えばプードルバッグといった"プレイフル(遊び心のある)"なアティチュードやピンナップガールなどね。それをモダンに表現するようにしているわ。それが根底にあり、毎回テーマを設けて、ミューズをたてる。そして、その時々の気分を乗せているの。2014-15年プレフォールの"アイスパイ"のミューズはリタ・ヘイワースで、14-15年秋冬の"シャンハイ・エクスプレス"はアナ・メイ・ウォンといった具合。共通項は"プレイフル"であると同時にエレガントでグラマラスであること"。レトロ"ではなく"ノスタルジー"が感じられること。それはブランドを始めた頃から変わらないわ」。

インタビュー前編

【プロフィール】
■シャーロット・オリンピア(Charlotte Olympia)
ロンドンで不動産会社を経営するギイ・デラルとブラジル出身のモデル、アンドレア・デラルの娘として生まれる。コードウェイナーズ・カレッジでシューズデザインを学び、2007年に「シャーロット オリンピア」をスタート。10年、米靴専門誌「フットウエア ニュース」主催のヴィヴィアン・エンファンティーノ新人タレント賞を受賞。同年、ロンドン・メイフェアに旗艦店をオープン。13年ブルーベル・ジャパンをディストリビューターに、日本本格上陸。

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