PROFILE: ファブリッツィオ・カルディナリ/エトロ最高経営責任

「エトロ(ETRO)」はこのほど、銀座の旗艦店を増設し、日本初となる「エトロ ホーム」の旗艦店兼ショールームをオープンした。2022年から同ブランドを率いるファブリッツィオ・カルディナリ(Fabrizio Cardinali)最高経営責任者(CEO)は「ライフスタイルブランドとしての存在感の強化」を戦略の柱に掲げ、レディ・トゥ・ウエア、レザーグッズ、家具、フレグランス、さらに不動産事業へと多角化を進める。カルディナリCEOにビジョンを聞いた。
日本は新規顧客開拓に手応え
WWD:エトロの商況は?
ファブリッツィオ・カルディナリCEO(以下、カルディナリCEO):特にヨーロッパと日本が牽引している。続いて、シンガポール、韓国、中東も健闘している。一方中国では成長が減速している。米国は回復基調にあり、1ケタ台ながら成長に転じた。世界でラグジュアリーファッションの市況が減速していることを鑑みても、現在の業績にはとても満足している。
WWD:過去のインタビューでは、日本の売上高について2027年までに1億ユーロ以上(約︎172億円)を目指すと言及していたが?
カルディナリCEO:その点では、やや計画より遅れている。しかし、日本は特に新規顧客を確実に獲得できており、目標達成に向けたエンジンになると確信している。
WWD:好調の要因は?
カルディナリCEO:エトロの新章としてスタートした、不動産事業「エトロ レジデンス」が1つ。現在、トルコのイスタンブール、タイのプーケット、中東のラス・アル・ハイマなどでプロジェクトを進めている。コロナ禍以降、インテリアだけでなく、高品質かつラグジュアリーな住宅への需要が集まっていることは間違いない。この分野は私たちの長期的なビジネスビジョンにおいても重要な役割があり、すでに手応えを感じ始めている。もう一つは、レザーカテゴリーの伸長だ。以前は補完的な位置付けだったが、今やビジネスの柱の1つになっている。特に日本市場においては、レザー商品が新規顧客獲得の中心になっている。
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