インバウンド(訪日客)の高額品消費の減速で、大手百貨店の業績が悪化している。30日に2025年3〜5月期連結業績を発表した高島屋とJ.フロント リテイリング(JFR)は、主に免税売上高の落ち込みで減益になった。
高島屋は小売業の売上高に相当する総額売上高が前年同期比5.7%減の2412億円、営業利益が同26.9%減の126億円だった。国内百貨店事業の店頭売上高で国内顧客が同1%増だったものの、訪日客が同30%減に落ち込んだ。訪日客による免税売上高は前年度期に比べて100億円少ない229億円に終わった。前年同期の為替(米ドル/円)が155円だったの対し、当期は145円と円高にふれたことが痛手になった。過半以上のシェアを占めるラグジュアリーブランドなどの高額品の免税売上高は41%も減少した。
JFR(国際会計基準)は総額売上高が前年同期比2.6%増の3074億円、事業利益が同15.4%減の138億円だった。大丸松坂屋百貨店による国内百貨店事業は、総額売上高が同2.5%減の1925億円、事業利益が同21.8%減の82億円だった。免税売上高は同24%減で、客数が14%増えたにもかかわらず客単価が33%減少している。
高島屋はインバウンド失速を受けて通期(26年2月期)の業績予想を下方修正した。免税売上高は期初計画では1100億円(前期は1160億円)を想定していたが、円安基調を考慮して820億円に下げる。