ファッション

緑に囲まれた祇園辻利とのコラボラウンジで涼をとる 「ザ・ホテル青龍 京都清水」 トラベルライター間庭がハコ推し!

7月が近づくと京都は、夏到来!青紅葉からさらに緑が深まり、7月には祇園祭も始まり、京都の夏も本番となる。清水寺から徒歩圏内、清水坂の途中にある「ザ・ホテル青龍 京都清水」も祇園辻利とのコラボレーションラウンジを8月31日まで夏限定で開催する。

このゲストラウンジは、朝7時半から夜10時までオープンし、宿泊者なら誰でもくつろげ、「ザ・ホテル青龍 京都清水」の最大の推しポイントなのだが、この祇園辻利とのコラボがすごい!冷煎茶、特選グリーンティーやほうじ茶オレなどのひんやりドリンクや、4種のうち日替わりで提供される「ぶぶる」のハーブティーなど、疲れた体をリフレッシュしてくれるお茶を飲み比べできる。茶寮都路里の職人が丁寧に仕上げた“Petitパフェ”や宇治抹茶ロールなどのスイーツも並び華やかに。なかでも「祇園辻利」大丸心斎橋店限定メニューのカヌレは美味!抹茶、玄米茶、ほうじ茶の3種で香ばしい黒豆や爽やかなオレンジピールなどをアクセントにしたもっちり食感がたまらない。そして米粉を使って焼き上げた「がとーぶぶフィナンシェ」などの焼き菓子も。スイーツが並ぶカウンターにも苔の装飾がほどこされ、なんとも涼しげなのだ。爽やかな緑に囲まれながら、優雅なアフタヌーンティーを楽しめる。

もちろん、通常通り、シャンパンやワイン、ナッツやセイボリーも並び、昼下がりの乾杯もしたくなる仕様。朝、昼下がり、夕暮れ時、バータイムと時間帯に応じたフードやドリンクがサーブされ、ずっとここにいたくなる。京都で最も古い寺院のひとつ「法観寺・八坂の塔」も目の前に。緑に囲まれたこの景観を眺めるだけでも、涼を感じるひとときとなる。楽しすぎて、もうここから離れられない…!

館内の質の高い空間でリラックスすることこそ贅沢

それでもいいのだ、という気になってくる。とにかく「ザ・ホテル青龍 京都清水」は心地いい。1933年に建てられた清水小学校の建築を保存・活用し、ラグジュアリーホテルとして生まれ変わった空間なのだ。当時の公立の小学校としては珍しく、最先端の近代モダン建築の技術を駆使した歴史的建造物は必見だ。「記憶を刻み、未来へつなぐ」をコンセプトにその世界観を生かしたまま、洗練されたデザインに昇華。なかでも敷地の高低差を生かした正面の階段は壮観!ホテル4階には法観寺の五重の塔が目の前で、京都の街並みを一望できるルーフトップバー「K36 Rooftop」が。このバー、インバウンドの旅行者にも評判で、夕暮れ時には行列をなす人気のスポット。宿泊していないビジターも利用できるが、まだ人が少ない15時のオープン直後を狙ったり、ディナー後のナイトキャップにふらりと立ち寄ったり、滞在しているからこその気軽さで足を運べるのもいい。

館内には小学校時代からある郵便ポストやダスターシュートなども残されており、小学校をモチーフにしたアート作品なども点在している。過去の風景と今の風景を比較できるアーカイブコーナーなどもある。階段も当時そのものの風情があるレトロなデザイン。子どもたちによる落書きなどもあり、心和む。映画の1シーンのような風景がかしこにあり、施設内を歩くだけで観光となるのだ。

一歩も外に出なかったとしても、「究極の夏休み」を約束

部屋も洗練されたモダンでありながら、すりガラスや重厚な建材など、これがレトロ建築の一部だと感じるシックなデザイン。しっかりとPCに向かえる大きめのテーブルもあり、これぞワーケーションの極み。私が文豪ならばここにこもりたい。

「ザ・ホテル青龍 京都清水」から一歩も出なかったとしても、頭で思い描く限りの、京都の「究極の夏休み」を実現できるのだ。

今回は、まさに館内だけで過ごす初日を実践。まずはゲストラウンジでちょっと渋みのある冷煎茶をいただき、抹茶のパフェを。苦みのあとに柑橘系の爽やかさが広がって、あんこやゼリーなど、さまざまな食感が重なり合い感覚が満たされる。

館内を散策し、各所にある小学校時代の名残やアートを楽しんだ後は、部屋でメールチェック。寝室やリビングともつながるシームレスな浴槽でのバスタイムを楽しんだ。館内にはこの手のラグジュアリーホテルには珍しく、3つのプライベートバスもあり、100分1万円で貸し切れる。かつて講堂として使われていた天井が高く、開放的なスパのような空間なので、豊かな時間を過ごせるのだ。

夕方はまたラウンジへ。16時以降は茶道体験や舞妓さんによる舞や記念撮影、和楽器の生演奏などが曜日替わりで開催され、文化体験を気軽にできる。

夕食と朝食は図書館をモチーフにしたレトロ空間で

今回は夕食もホテルの施設内で堪能した。敷地内には別棟に、世界各地でミシュランの星付きレストランを展開するデュカス・パリ監修の「ブノワ 京都」があり、旬の食材を生かしたフレンチも味わえるが、私はモダンなSUSHI-BAR@libralyをセレクト。この空間も絶妙!

朝食も提供される「restaurant library the hotel seiryu」は図書館に見立てたデザインで、どのテーブルにつくかにより、手に取る本も異なる。私は試泊取材として1人での食事だったので、ちょっと手持ち無沙汰なとき、書棚の画集を眺めたりして、そんな時間も楽しかった。シグネチャーコース(8500円、サービス料別)は色とりどりの八寸スタイルの前菜からスタート。シャンパンにも日本酒にもあい、ちょこちょこつまみながらの杯が進む!9貫の手まり寿司も可愛らしく、目でも楽しめた。周りをチェックすると、好きなネタの握りを5、6貫注文しているカップルや、カラフルな創作ロール寿司を囲む家族など、楽しげな外国人客も多く、なんだか和める。鰻丼や和牛ステーキ丼などもあり、あらゆる要望に応えてくれる本格的なSUSHI BARで、カウンターでの手わざも垣間見え、なんだかみな、楽しそうなのだ。

朝ご飯は同じく「restaurant library the hotel seiryu」で。ライトアップされた昨日の風景とはまた違った印象の朝の光。階段上のテラス席で食事をする人も多いのだとか。メーンを選んだら、前菜やサラダやパン、フルーツなどを自分で盛り付けるハーフブッフェ。メーンはそば粉のガレットやヴィーガンミートのオープンサンドなどとともに京の朝鍋などの和定食も。優雅な朝ご飯のあとはまたラウンジへ。お茶を楽しみながら読書を楽しんだ。

早朝の清水寺参拝は涼しく空いていて、なんともフォトジェニック!

とはいえせっかくの京都滞在。観光だって満喫したい。そこでおすすめなのが、早朝の清水参拝だ。清水寺の開門は朝の6時。この時間にはさすがに観光客も少なく、あの清水の舞台もほぼ貸し切りという贅沢な体験ができる。人混みを避けられ、涼しい時間に歩けるのもメリットだが、朝の光がとにかく美しく、清々しい。これはこの時間ならではの特権と言えそう。地元の常連参拝者からゆかりある話を聞いたり、誰もいないフォトジェニックな風景の中で撮影に没頭したり、自分だけの時間を過ごせるのも稀有。誰も歩いていない茶わん坂などもなかなか風情があり、さまざまな街角に見入ってしまった。歩き疲れたら宿に戻り。朝食というのもちょうどよい。

建仁寺の敷地内にある両足院では徳島の藍で涼めるアート展も

ホテルから徒歩圏内の観光名所には祇園の街並みや八坂神社、縁切り祈願でおなじみの安井金毘羅宮などもある。京都最古の禅寺といわれる建仁寺もその一つ。建仁寺には歴史的な建造物や端正な庭園など見どころ満載で、敷地内には個別の小さな寺院、塔頭寺院も多い。なかでも注目なのがさまざまなアートイベントを展開する両足院だ。毎年、京都国際写真祭の会場となり、過去には杉本博司の襖絵や掛け軸の展示、「フリッツ・ハンセン(FRITZ HANSEN)」による、デンマークのデザイン家具と日本の伝統建築が調和する展示などでも、話題となった。

今、開催されているのは世界的に活躍する藍師・染師BUAISOUによる展覧会「縄夏生」(7月13日まで開催)。縄の文様をモチーフとした藍色の掛け軸や襖絵、暖簾などが本堂や書院、庭園などに展示され、目にも涼やか。緑の木々と風や伝統的な建造物。さまざまな要素が装置となり、その瞬間だけが生み出す美を鑑賞できる。12時から16時が通常拝観だが、朝の9時、10時、11時に各20人限定(先着順)拝観料2000円で予約制特別拝観もHPより予約できる。(時期によって時間変更あり)初夏のこの時期には、花と共に葉もきりりとした白色になる半夏生(はんげしょう)が見事だそう。徳島の藍色にも半夏生は映えそうだ。

滞在中、観光をしたのは清水寺と建仁寺の2カ所だったが、ゆったりと館内でくつろぎ、朝の時間を有効に活用し、豊かな時間を過ごせた。茶道に手まり寿司、早朝の清水寺に藍染アートと、味覚や視覚で涼をとり、感覚を磨く夏の京都旅。猛暑の中、京都を満喫するためにも、賢くプランニングするのがおすすめだ。

そして今回の滞在で驚いたことがある。画像はすべて加工なし。私がiPhoneで撮ったもの。もちろん建築の歪みなどはあるが、こういったラグジュアリーホテルは肉眼で見たほうが美しく見えることも多く、自分の技術ではその素晴らしさをおさめられずに、大抵、オフィシャル画像に頼る。だが「ザ・ホテル青龍 京都清水」はどこをとっても絵になる。これ、実はすごいこと。ぜひ実際に足を運び、過ごして、その空間を味わい尽くしてほしい。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

Is AI GOOD?AIがもたらす「ゲームチェンジ」

「WWDJAPAN」12月1日号は、ファッション&ビューティ業界でいよいよ本格化する“AIゲームチェンジ“を総力特集しました。11月19日のグーグル「ジェミニ3.0」発表を契機に、生成AIは「便利なツール」から「産業の前提インフラ」へ変貌しつつあります。ファッション&ビューティ業界で浸透する生成AI及びAIの活用法とゲームチェンジに向けた取り組みを紹介しています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。