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I-ne、スシロー前社長の水留氏迎え経営体制強化へ

「ボタニスト(BOTANIST)」や「ヨル(YOLU)」などを展開するI-neは26日、スシローを運営するFOOD & LIFE COMPANIES(以下、F&LC)の取締役特別顧問である水留浩一氏を社外取締役に起用すると発表した。9月26日に開く臨時株主総会で正式に選任される見通し。

水留氏は1968年生まれの57歳。電通やアクセンチュア、ローランド・ベルガーで要職を務めた後、日本航空の取締役副社長、アパレル大手ワールドの取締役専務執行役員などを歴任。2015年にあきんどスシロー(現F&LC)の社長に就任し、海外出店の加速やコロナ禍・消費者の迷惑行為による逆風下での業績回復を主導した。24年から現職。22年からはアダストリアの社外取締役も務めている。

同社は「(水留氏は)企業経営における豊富な経験を踏まえ、既存事業の成長や海外展開を含む新領域への助言・経営監督機能が期待できる」として、中期経営計画の達成に向けて不可欠と判断した。

2030年に売上高1000億円へ
“非”ヘアケア事業を拡大

I-neは、2028年〜30年の中期経営方針で、売上高1000億円を掲げている。成長戦略の柱として、1.新規事業の育成、2.M&Aの推進、3.事業ポートフォリオの転換の3点を挙げる。

まず、主力のヘアケアや美容家電に加え、スキンケアのほか目薬や柔軟剤といった新カテゴリーへの展開を加速する。25年は新たに10ブランドを投入する計画で、第2、第3の成長の柱を育てる。

次に、M&Aを通じた事業領域の拡大を推進する。23年にはスキンケアブランドのトゥヴェールと海外D2C企業のArtemisの2社を買収。現在は統合作業(PMI)を進めている。今後も継続的にM&Aを実施し、収益基盤の多角化を図る。こうした取り組みにより、30年にはヘアケア以外のカテゴリーでの売上高が全体の6割を占める体制を目指す。製品・事業の多様化を通じ、成長の持続性を高めていく考えだ。

業績面では、24年12月期は売上高が前年比8.1%増の450億600万円、営業利益が同4.7%増の45億8300万円、経常利益が同6.6%増の46億2100万円、純利益が同25.7%減の29億3800万円だった。

2025年12月期は、売上高が同15.5%増の520億円、営業利益が同10.0%増の50億4000万円、経常利益が同8.2%増の50億円と増収増益を計画する。ただし、純利益は同8.1%減の27億円を見込む。

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