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「バリー」を米投資会社が買収 取引額は非公開

米投資会社リージェント(REGENT)は8月15日、同社の関連会社が、「バリー(BALLY)」をその親会社であるJABホールディング(JAB HOLDING)から買収したことを発表した。金額は非公開。

「バリー」は1851年、カール・フランツ・バリー(Carl Franz Bally)がスイス・シェーネンヴェルトで創業した。当初はサスペンダーなどを製造するリボン工場だったが、シューズの生産を始め、急激に事業が拡大。1951年には、カールの孫であるマックス・バリー(Max Bally)が、ブランドの代名詞となるメンズのドレスシューズ“スクリーブ(SCRIBE)”を発表した。マックスの死後、同社は一族以外の起業家に売却されたものの、事業は存続。2018年には、中国最大の繊維メーカーである山東如意がバリーを買収する取引で合意に至ったが成立せず、その後はルクセンブルクの持株会社JABホールディングの傘下となった。

「バリー」の最近の動向

現在、「バリー」はメンズ、ウィメンズ、シューズ、アクセサリーを展開。世界60カ国で約320の店舗を構えるほか、500以上の卸先や売り場があり、ECは61カ国で運営している。JABは傘下ブランドの業績を開示していないが、19年に就任したニコラ・ジロット(Nicolas Girotto)=バリー最高経営責任者(CEO)によれば、同ブランドの23年5月時点での売上高は前年比20%増だったという。

クリエイティブ面では、22年1月に「ルード(RHUDE)」のルイージ・ビラセノール(Rhuigi Villasenor)創業デザイナーをクリエイティブ・ディレクターに迎えたものの、23年5月に退任。これに伴い、22年10月に「バリー」に加わったシモーネ・ベロッティ(Simone Bellotti)がデザイン・ディレクターに就任した。なお、情報筋によれば、買収後もジロットCEOとベロッティ=デザイン・ディレクターは続投するという。

新たな親会社のリージェントについて

リージェントのマイケル・ラインシュタイン(Michael Reinstein)創業者兼会長は、「比類のない品質とタイムレスなデザインを礎とし、170年以上の歴史を持つ『バリー』は、洗練されたスイスのエレガンスと優れたクラフツマンシップを体現するブランドだ。この素晴らしいストーリーの次章を託されたことを、とても光栄に思う」と語った。

リージェントは、ほかに「クラブ モナコ(CLUB MONACO)」や「エスカーダ(ESCADA)」などのファッションブランドに加えて、自転車やメディア関連企業に投資している。

JABは、米化粧品大手のコティ(COTY)の支配株主であるほか、キューリグ・ドクター・ペッパー(KEURIG DR. PEPPER)やクリスピー・クリーム(KRISPY KREME)の大株主。過去には、「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」と「ベルスタッフ(BELSTAFF)」を保有していた。

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