ファッション
連載 齊藤孝浩の業界のミカタ 第63回

好調アダストリア、決算書から見える強みと課題

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企業が期ごとに発表する決算書には、その企業を知る上で重要な数字やメッセージが記されている。企業分析を続けるプロは、どこに目を付け、そこから何を読み取るのか。この連載では「ユニクロ対ZARA」「アパレル・サバイバル」(共に日本経済新聞出版社)の著者でもある齊藤孝浩ディマンドワークス代表が、企業の決算書やリポートなどを読む際にどこに注目し、どう解釈するかを明かしていく。今回は国内アパレル専門店売上高3位のアダストリアにフォーカスする。

アダストリア(ADASTRIA)の2024年2月期の連結業績は、売上高、営業利益共に過去最高を達成しました。売上高が前期比13.6%増の2755億円、営業利益は同56.4%増の180億円で、営業利益率は6.5%。コロナ禍を乗り越え、V字回復を果たし、順風満帆のように見えます。

しかし、過去にはもっと高い営業利益率を叩き出していた時期もありました。特に、合併前のポイント時代は営業利益率10%超をたたき出す常連企業でした。

アダストリア連結 売上高・営業利益・営業利益率の推移

グローバルワーク(GLOBAL WORK)」や「ローリーズファーム(LOWRYS FARM)」などを展開するポイントと、「ニコアンド(NIKO AND...)」や「スタディオクリップ(STUDIO CLIP)」などのトリニティアーツが、アダストリアホールディングスの下に収まったのが13年。その後16年にアダストリアとして統合されました。合併によって何が変わったのでしょうか?  もともとポイントは衣料品中心の高回転、高収益のSPAであることが特徴でしたが、トリニティアーツはどちらかというと雑貨が多く、ライフスタイル型のSPAでした。「雑貨を増やさないと時代に対応できない」――それは正しいことなのですが、実は、雑貨はアパレルより利益率も回転率も低いという落とし穴があります。

合併前(13年2月期)のポイントとトリニティアーツの損益比較

実際に13年2月期決算を見ると、ポイントの営業利益率は8.0%、一方トリニティアーツは2.8%。かつて「ローリーズファーム」が全盛だったころのポイントは、営業利益率が20%だった時期もありました。

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