ファッション

「フェンディ」CEOが語る メゾンの強みと次代に響くブランドストーリーの伝え方

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PROFILE: セルジュ・ブランシュウィッグ=フェンディ会長兼最高経営責任者

セルジュ・ブランシュウィッグ=フェンディ会長兼最高経営責任者
PROFILE: フランス出身。パリのエコール・ポリテクニーク、国立高等通信学校、およびパリ政治学院卒。1984年シュルンベルジェ/ジェムアルトでキャリアをスタート。その後、マッキンゼー・アンド・カンパニー、ソカースマーフィットを経て、95年に香港のルイ・ヴィトンのアジアパシフィック地区プレジデントに。2000年にはセフォラのヨーロッパ地区CEO、02年にはルイ・ヴィトン マルティエのマネジングディレクター、 06年にはセリーヌのCEOを務める。08年にクリスチャン・ディオール クチュールのCOOに就任し、その後15年に、ディオール オムのプレジデントの一人に加わった。18年2月から現職

フェンディ(FENDI)」のセルジュ・ブランシュウィッグ(Serge Brunschwig)会長兼最高経営責任者(CEO)が、東京・渋谷で開催したポップアップイベントに合わせ来日した。同メゾンは来年100周年を迎える。アニバーサリーイヤーを前にブランシュウィッグCEOにメゾンの独自性について聞いた。

WWDJAPAN(以下、WWD):「フェンディ」はカール・ラガーフェルドが考案した「ファン・ファー」のコンセプトに始まり、ファンな要素を巧みに取り入れながら常に新鮮なブランドイメージを更新している。秘訣は何か?

セルジュ・ブランシュウィッグ=会長兼最高経営責任者(以下、ブランシュウィッグCEO):成功しているメゾンの共通点は、忠実な姿勢にある。私が現職に就任してから最も大事にしていることは、「フェンディ」とは何かをしっかり理解し、それを世の中に繰り返し伝えていくことだ。

WWD:では、「フェンディ」とは何か?

ブランシュウィッグCEO:「開かれた家族経営」とでも言えるだろうか。「フェンディ」の面白さは、その独特な家族観にあると思う。1925年にアデーレ・フェンディとエドアルド・フェンディ夫妻が創業しその後5人の娘へと受け継がれていくわけだが、閉鎖的な家族経営ではなく新たなメンバーを次々と“養子”に迎え入れながらファミリーの輪を拡大しているイメージだ。例えば、65年に5人の姉の弟として養子に迎えられたのがカール・ラガーフェルド。カールが毛皮を楽しむ「ファン・ファー」のコンセプトを生み出し、メゾンの卓越した素材使いに新たな風を吹き込んだのは知られた話。その後、カールは3代目シルヴィア・フェンディを養子に取るといった具合だ。(5人姉妹の1人、アンナ・フェンディの娘シルヴィアは90年代初めにカールのアシスタントとして事業に参加)。創業者のエドアルドには5人の娘たちが生まれ、当時は後継者がいないと危惧したそうだがそんな心配は必要なかった。娘たちが見事に事業を軌道に乗せた。そうした力強い女性像を持つ現代の顧客もまた、フェンディファミリーの一員と言える。

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