2023年2月20日号の「WWDJAPAN」はファッション業界の「お仕事図鑑」と題して、実際に業界で働く人に仕事内容やそこに至るまでのキャリアについて聞いた。「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「ディオール(DIOR)」「セリーヌ(CELINE)」「フェンディ(FENDI)」といったブランドの親会社で、ファッションからビューティ、スピリッツ事業まで21の法人と41のメゾンを持つLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン ジャパン(LVMH Moet Hennessy Louis Vuitton Japan)から、さまざまな職種を紹介。約8900人(2022年時点)のLVMH ジャパン社員の中から、好きから仕事を広げて活躍する11人のお仕事を紹介する。(この記事は「WWDJAPAN」2023年2月20日号からの抜粋です)

【GUERLAIN】
ゲラン
マーケティング&コミュニケーション本部
リテール マーケティング マネージャー
【荒谷雅さんのキャリアパス】
大学卒業後、2013年国内大手化粧品メーカーに入社し、トレーナーに
▶︎17年社内公募でオーガニックブランドの香港の現地法人に1年間出向
▶︎18年帰国し海外事業のマーケティング担当に
▶︎19年8月ゲラン入社。トレードマーケティング&マーチャンダイジング担当に
▶︎22年10月から現職
【リテール マーケティング マネージャーの仕事とは】
百貨店の「ゲラン」カウンターやポップアップで実施するイベント、ホテルで開催する顧客向けイベントなどを企画・実行する。新たなゲランのブランドイメージ確立のため、SNSを駆使しこれまで接点が多くなかった20代へのアプローチや、顧客にパーソナルな体験の提供を実施する
チームからの意見を糧に次のアクションへ
「美容と化粧品が好きで、好きなことを仕事にできたら、たとえ大変なことがあっても乗り越えられる」と荒谷雅さんは化粧品業界に飛び込んだ。大学卒業後に国内の大手化粧品メーカーに入社し、販売スタッフのトレーナーとして従事する。学生のころから海外に関わるマーケティング職を希望していたこともあり、社内公募でグループ企業のオーガニックブランドの香港にある現地法人に1年間出向した。帰国後、海外事業のマーケティング部門に配属となり、中国・香港をはじめとしたアジア市場のマーケティングを担当した。
その後さらなるステップアップを求め、「グローバル人材になりたい」と19年8月にゲランに入社し、トラベルリテールを担当。22年から消費者向けのプロモーションイベントや、ホテルで上位顧客を対象としたクローズドのイベントの企画立案、実行までを行う。
21年にリニューアルした最高峰フレグランス“ラール エ ラ マティエール”シリーズ(全22種、各100mL、各税込4万6200円/各200mL、各税込6万6000円)は印象深いアイテムだという。手に取りやすかった20mL(約1万円)サイズをなくしたことで、百貨店サイドや販売スタッフから反発があった。しかし、全国に9人しかいないフレグランスエキスパートの販売スタッフをイベントに集結させ、フレグランスが誕生した背景を伝え、プロフェッショナルによる接客などパーソナルな体験を提供。また、SNS上のファンコミュニティーに向け話題を喚起したこともあって、イベントの売り上げはリニューアル前と比較して1.3倍と拡大した。「リテールマーケティングは成果が数値ですぐに出るのでやりがいを感じる。厳しい意見をもらうこともあるが、それを糧に次のアクションが取りやすいし、いいものを作り上げたいという共通認識があるので、チームで次回に向けたアクションプランを出し合っている」。
学生時代の自分にアドバイスするとしたら「マーケティングとは関係ない分野でも、興味の持てる事柄には関心を持ち、その背景を深掘りするくせをつけるといい」。短期的な目標は「『ゲラン』のイメージを若い層に届けること。イベント会場が若い人であふれるようにできたら」。現在32歳。「いろいろなバックグラウンドの人とチームを組んで仕事し、まだまだ成長したい」と前を見据える。