デンマーク発のジュエリーブランド「パンドラ(PANDORA)」はこのほど、古代コインや星座から着想した新作ジュエリーコレクション“タリスマン(TALISMAN)”を発売した。これを記念し、米ロサンゼルスでは満月の夜にお披露目パーティーを開催した。会場となったロサンゼルスのハリウッド・ルーズベルト・ホテルには、キャンペーンモデルを務めるアレックス・コンサニ(ALEX CONSANI)をはじめ、世界各地からセレブリティやメディア関係者、ファッション業界関係者ら200人以上が集結した。
星座や古代のシンボルから着想したコレクションの世界観に合わせ、会場ではタロット占いや、星座の特徴を記したゾディアックダイスを使ったカジノなどを開催。ルーフトップには望遠鏡を設置し、満月や星座を実際に眺めながら新作“タリスマン”の世界観を五感で体感できるイベントとなった。
パーソナライズしたジュエリーで個性を纏うゲストたち
会場でひときわ目を引いたのが、ゲストそれぞれの個性を映したジュエリーのスタイリングだ。“タリスマン”は、星座のモチーフや古代コインを思わせるメダリオンに、ラテン語の言葉や星、ハート、矢といったシンボルをあしらったデザインが特徴。身に着ける人が自身の価値観や思いに重なるモチーフを選び、自由に組み合わせることで、自分だけのストーリーを表現できるのも魅力だ。
ゲストの装いは、複数のメダリオンやチャームを一つのネックレスに重ねたり、異なる長さのチェーンをレイヤードしたりと実にさまざま。背中側にチャームを垂らしたバックドロップ・ネックレスや、リングの重ね着け、複数のチェーンを組み合わせたチェーンベルトなど、既成概念にとらわれない自由なアレンジが目を引いた。既存の「パンドラ」のジュエリーとミックスするゲストも。一人ひとりの個性によって異なる表情を見せる“タリスマン”の着こなしを眺めることも、この夜ならではの楽しみの一つだった。
“タリスマン”が加速させるフルジュエリーブランドへの進化
カスタマイズできるチャームブランドとしての認知を獲得してきた「パンドラ」だが、近年はアイコニックなチャームブレスレットだけでなく、フルラインナップのジュエリーブランドとしての地位を確立しつつある。
“タリスマン”は、そうしたブランドの進化をさらに一歩押し進める存在として注目される。従来の「パンドラ」が、チャームを通じて思い出や人生の節目をパーソナライズする楽しさを提案してきたのに対し、“タリスマン”では言葉やシンボル、星座といったモチーフを通じて、身に着ける人自身の価値観やアイデンティティー、大切な思いを表現することを重視。選ぶモチーフや組み合わせそのものが、その人らしさや考え方を映し出し、ジュエリーが「自分を語るストーリー」の一部となる。さらに自由度の高いスタイリングによって、一人ひとり異なる自己表現を可能にする点も大きな特徴だ。
こうしたブランドの進化は、“タリスマン”のリリースだけにとどまらない。「パンドラ」は近年、ラボグロウンダイヤモンドを用いたジュエリーを拡充し、天然ダイヤモンドに依存しないという明確な選択で、サステナビリティーを含むブランドの価値観を打ち出すとともに、チャーム以外のカテゴリーでも存在感を高めている。さらに、クリエイターとの協業を軸としたイニシアチブを始動するなど、ファッションやカルチャーとの接点も拡大。ジュエリーを通じて人々の自己表現や価値観とつながりながら、ブランドそのものをより文化的な存在へと押し広げようとしている。
“タリスマン”は、こうした一連の取り組みを象徴するコレクションとも言えそうだ。自分自身のストーリーをジュエリーに託すという、ブランドが得意としてきたパーソナライゼーションを受け継ぎながら、それをより現代的な自己表現の手段へと進化させている。
世代を越えて共感を広げ、Z世代からも支持を集める「パンドラ」
これまで日本では40〜50代を中心に支持を集めてきた「パンドラ」だが、近年はブランドの発信や商品の広がりとともに、Z世代へも顧客層を広げている。原宿店では若い世代が列をつくる光景も見られる。日本は現在、世界の主要市場の中でも売上成長率が最も高い市場の一つという。
その背景にあるのは、単なるブランドの“若返り”ではない。既存顧客を置き去りにするのではなく、母と娘がそれぞれの感覚で同じブランドを楽しめるような、世代をまたぐジュエリーブランドへと変化しているのが特徴だ。
両世代をつないでいるのが、「自分の物語をジュエリーに託す」という「パンドラ」が長年培ってきた価値だ。40〜50代にとっては、人生の節目や大切な思い出を刻むジュエリーであり、Z世代にとっては、「自分らしさ」や「今の気分」を可視化する自己表現のツールとなる。
そこに、現在の若い世代に広がるチャームの“じゃら付け”やバッグデコ、Y2K的なパーソナライゼーションの感覚が重なる。「人と同じものを持つ」のではなく、自分好みに組み替え、自分仕様にして楽しむという価値観と、「パンドラ」がもともと持つチャーム文化との親和性は高い。
若い世代にも比較的手が届きやすく、一度に完成させるのではなく、チャームやジュエリーを少しずつ買い足していける購買体験も、支持を広げる要因の一つだろう。購入するたびに自分のストーリーを重ねていけるというブランドの仕組みそのものが、今の消費行動とも自然に結び付いている。
“タリスマン”もまた、特定の若い世代だけに向けたコレクションではない。世代を問わず、自分にとって意味のある言葉やシンボルを選び、身に着けることができる。「パンドラ」が長年育んできた“パーソナルストーリー”という価値が、より現代的なアイデンティティーや自己表現へと広がっていることを、自分だけの“タリスマン”を身に着けたゲストが集ったロサンゼルスの一夜が印象付けた。