ファッション

道化師のコスチュームをエレガントに昇華した「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ」 モダンクチュールの世界VOL.4

 「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ(GIORGIO ARMANI PRIVE)」2023年春夏のタイトルは、「アルマーニ流ロンド(円舞曲)」。弦楽器やオルガンの音色が響く中、同ブランドのクチュールらしい輝きに満ちたドレスや柔らかなテーラリングに身を包んだ77人のモデルが、ランウエイの上で優雅に歩いた。

 今季の特徴は、なんと言ってもハーレクイン(道化師)の絵画から着想したというダイヤモンドのモチーフだ。ランウエイにはピンク、ターコイズ、エメラルドグリーン、ロイヤルブルーといった色で描かれた柄が敷かれ、そこに登場するモデルも大小さまざまなダイヤモチーフをまとう。その手法は実に多彩で、マルチカラーのプリントやきらめくニットもあれば、ふくれ織りやリボンの編み込み、ビーズ刺しゅうもある。

 特に印象的だったのは、ダイヤモンドプリントのフレアドレスに、ラインストーンやスパンコールでアウトラインのみを描いたチュールスカートを重ね、柄を立体的に見せるスタイル。さらにスパンコールが敷き詰められたダイヤモンド型のピースをつないだり、ラインストーンでグラデーションを表現したりといったディテールには、繊細な技巧が見てとれる。

 また、カラーコントラストを生かした幾何学的なデザインや総スパンコールの細身のロングドレスも豊富で、ピエロさながら首元にラッフルをあしらったルックも登場。コミカルなキャラクターの装いをエレガントに昇華した。


 1月23日から26日までの4日間、パリで2023年春夏オートクチュール・ファッション・ウイークが開催された。今回の公式スケジュールには、パリ・クチュール組合の正会員である11ブランド、国外メンバーの6ブランド、ゲストメンバーの12ブランド合わせて29組がラインアップ。その中から、現代の富裕層やセレブリティーの期待に応えるモダンクチュールを紹介する。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2024-25年秋冬パリコレ特集 デザイナーたちからの提案「何気ない日常を特別に」

3月18日発売号の「WWDJAPAN」は、2024-25年秋冬パリコレクション特集です。2月末から3月にかけて約100ブランドが参加して開催されたパリコレを現地取材し、その中で捉えた次なる時代のムード、デザイナーの視点をまとめました。ファッションデザイナーたちから届いた大きなメッセージは「何気ない日常を特別に」。戦争、物価高騰、SNS疲れと私たちを取り巻くストレスはたくさんありますが、こんな時代だ…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。

メルマガ会員の登録が完了しました。