ビューティ

Vol.4 TwitterとTikTokで反応は全然違う!? SNSでは“解像度”が大事【SNSトレンドに、業界は「どうする」?】

有料会員限定記事


 「WWDJAPAN」のソーシャルエディターは毎日、TwitterやFacebook、Instagram、そしてTikTokをパトロールして、バズった投稿や注目のトレンドをキャッチしている。 この連載では、ソーシャルエディターが気になるSNSトレンドを投げかけ、業界をパトロールする記者とディスカッション。業界を動かす“かもしれない”SNSトレンドの影響力や、投稿がバズる背景を探る。今、SNSでは何が起こっているのか?そして、どう向き合うべきなのか?日々のコミュニケーションのヒントにしたい。

 今回は、「知らないことを、知る」ことができると、反応は全然変わるかもしれない、という話。

> アルビオンからスキンケアシリーズ“フラルネ”誕生 「“フラルネ”は“エクサージュ”の延長線上ではない全く新しいシリーズ」

> 齋藤薫のビューティ業界へのオピニオン アルビオン “エクサージュ”生産中止?!“フラルネ”誕生の衝撃をどう読むか?

記者村上:ビューティの世界では最近、アルビオンが「エクサージュ(EXAGE)」をやめて「フラルネ(FLARUNE)」を立ち上げました。「エクサージュ」終了の一報が先行したから、ツイッターでは「難民確定」的な後ろ向きなニュアンスのツイートがあったけれど、僕自身はアルビオンという会社のブランドラインナップにおける多様性とか、既存品では獲得できていない人たちへのリーチという挑戦の意味でとっても前向きなニュースだと感じました。このニュースを「『エクサージュ』の終了」という点のニュースとして捉えるか、「『エクサージュ』を終えるアルビオンの新基軸」という線で捉えるかで、印象はずいぶん変わります。ネガティブなツイートを見かけるたびに思うのは、「知らないことを、知る」ことができたら、もうちょっと違った反応、謙虚な反応ができたのかもしれないな、ってこと。メディアとして、そんな「知らなかったことを、知る」のお手伝いができたら嬉しいですね。今回のメルマガも、その一助になればと願っています。

ソーシャルエディター浅野:先日公開された「ヴォーグ ガール(VOGUE GIRL)」と「シャネル(CHANEL)」のタイアップ企画では、ユーチューバーのコムドットのメンバーが起用されたことで、SNSを中心に議論がなされました。Twitterでは「シャネル」とコムドットのイメージの乖離に関する言及が多く、注目を浴びるユーチューバーの中には良くないイメージを持たれてしまう人もいるせいか騒ぎとなり、一時はトレンド入りしたり、企画の主旨とは異なる点に飛び火したりしました。

少し前には「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」もコムドットのヤマトをプロモーションに起用したら、同様の反応が起きました。 やはり「イメージと合わない」という意見が多かったように思います。 ブランドを長らく愛するファンにとっては、若いファン層を持つユーチューバーの起用に「突然、どうしたの?」という印象を抱く方もいたのでしょう。 もちろんそういった気持ちもわかりますが、今回はフレグランス“チャンス(CHANCE)”とかけた人選で、新たな挑戦として面白いと思いました。村上さんはどう見ましたか?

記者村上:タイアップ記事の冒頭にある「自分たちの手で“チャンス”を掴みに行くその姿は、フレグランスの世界に革命をもたらしたガブリエル シャネルの姿と重なる部分も」の一文に「なるほど」と思った、というのが本当に正直な印象でした。と言いながら、実はコムドットのYouTubeはちゃんと見たことがなくって(笑)、慌てて数本見てみました。たしかに「フザけてみました」的なコンテンツは多いけれど、“炎上系”とは違いますよね?やっぱり記事にある通り、 コムドットのYouTubeは「オリジナリティあふれるアプローチ」なんだと思います。

マドモアゼルは、単一花の香りのフレグランスが主流だった時代に複数の天然香料と合成香料アルデヒドを合わせた抽象的な香りを創り出したり、 デコラティブなデザインが主流だったボトルをシンプルで直線的なデザインにしたりしましたよね。フレグランスのみならずファッションの世界でも「オリジナリティあふれるアプローチ」で既成概念を超越し、「シャネル」の礎を築いたし、業界そのものにさえ大きく貢献しました。きっと当時は、様々な否定的な意見もあったと思うけれど。賛否両論ありながらもポリシーを貫くコムドットに対する世間の反応と「シャネル」のヒストリーには、重なる部分があるのかな、って思います。「フザけてる」コムドットと「シャネル」という文脈で捉えるか、「自分らしく既成概念を超越する」コムドットと「シャネル」という文脈で捉えるかは、一人ひとりの興味関心や背景、コムドットやブランドへの理解によるのかな?って思っています。

浅野:それぞれの解像度によって、感じ方はこんなにも違うんだと、村上さんの話を聞いて改めて思いました。まさに今回の一件は、“個人の解像度の違い”に尽きると思います。Twitterでは否定的な意見が多かったのですが、TikTokではファンが「最高!かっこいい!」と大絶賛している投稿がバズっていました。コムドットのファン層がアクティブに活用しているのは、TikTokなんだと思います。プラットフォームの特性とアクティブなユーザー層によって、感じ方が全く異なっています。今回さまざまな角度から観察してみましたが、結果として、誰に対して打ち出すキャンペーンなのかが明確なのであれば、賛否はある程度想定内で、十分に意味があるのではないでしょうか?

村上:TikTokは、よりポジティブな反応が目立ったんですね。ごくごく一部を切り取ったメディアの記事もあるけれど、「ネガティブな反応もあったけれど、ポジティブなエンゲージメントもありました」が本当の姿なのでしょう。きっと「YSL」も同じだったんじゃないかな?ネガティブな反応ばかりだったら、「ヴォーグ ガール」や「シャネル」も、コムドットを選ばなかったと思います(笑)。

浅野さんが発見したTikTokでのポジティブなムードを知ると、またこのコンテンツに対する感じ方が変わりますね。「シャネル」のヒストリーやTikTokでの反響など、「知らないことを、知る」ことができたら、“解像度”が増したら、きっと感じ方も変わるのだろうと思います。

> “イエベ・ブルベ”の区別をどう思う? WWDJAPAN読者の意見を聞いてみた 【パーソナルカラー】

浅野:以前YouTubeのライブ配信で「イエベ・ブルベ(パーソナルカラー)」をテーマにディスカッションしましたが、その際も「好きな色を使えばいい」という人と「自分に似合うカラーを知るために必要」という人がいました。私も「パーソナルカラーにとらわれず、好きな色を使えばいい」と思っていましたが、パーソナルカラーは“この色しか使っちゃダメ”と選択を狭めるものではなく、似合う色の傾向を知ることで選択を広げるものと捉えている人がいることを知って、見方が大きく変わりました。

次回はファッション担当のソーシャルエディターによる、Twitterで話題の“手を使わずに簡単に脱ぎ履きできるスニーカー”「ゴー フライイーズ」を皮切りに、テクノロジーが新たなマーケットを切り開く可能性を考えます。

村上 要 「WWDJAPAN」編集長 / 浅野 ひかる ソーシャルエディター村上 要 「WWDJAPAN」編集長 / 浅野 ひかる ソーシャルエディター


メルマガ連載【SNSトレンドに、業界は「どうする」?】記事一覧

> Vol.8 「キューテン」の「メガ割」から見えてくるセールの新しい役割
> Vol.7 元“パパ活女子”の投稿から考える、“愛”ゆえの排他性
> Vol.6 誰に「モテ」たいか?が変わってきた!!
> Vol.5 よくバズる、「ナイキ」のスニーカーについて考える
> Vol.3 Vol.3 SNSでの炎上が増えてきた「限定品買えない問題」
> Vol.2 試行錯誤が続く、男性に響くメンズ・インフルエンサー問題
> Vol.1 ジェンダーレスと可愛いは両立するの?


最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

サステナビリティ特集 ファッションの売り場から始める実践例26【WWDBEAUTY付録:Z世代と考える化粧品業界のサステナビリティ】

「WWDJAPAN」5月29日号の特集は、「売り場から始めるサステナビリティ実践例26」です。サステナビリティ×ファッションの話題は素材開発から店頭へと移りつつあります。本特集ではその事例を多数紹介。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。

メルマガ会員の登録が完了しました。