ファッション

デムナやマルジェラを輩出した名門校ファッション科のトップに、LA出身の29歳が就任

 著名デザイナーを数多く輩出してきたベルギーの名門校、アントワープ王立芸術アカデミー(Royal Academy of Fine Arts Antwerp) ファッション科の新クリエイティブ・ディレクターに、パフォーマンスアーティストでデザイナーのブランドン・ウェン(Brandon Wen)が就任する。2007年から同学科を率いてきたデザイナーのウォルター・ヴァン・ベイレンドンク(Walter Van Beirendonck)の後任として、9月から学生の指導にあたる。

 1993年アメリカ・ロサンゼルス生まれのウェンは、2015年ニューヨークのコーネル大学を卒業後、2019年にアントワープ王立芸術アカデミーのファッション科の修士課程を修了。在学中の18年には、ビスコース素材の可能性を探求する「チャレンジ・ザ・ファブリック・アワード(Challenge the Fabric Award)」を受賞した。これまでのキャリアは、シャネル(CHANEL)傘下のメゾン ルマリエ(MAISON LEMARIE)など。リック・オウエンス(Rick Owens)とミシェル・ラミー(Michel Lamy)の下で働いたこともあり、カリフォルニアにあるアーツ・オブ・ファッション財団(Arts of Fashion Foundation)ではオーガナイザーと講師を務めていた。

 就任に際して、ウェンは「これ以上ないほど興奮しています。これは、多大なる感謝、重大さ、喜びをもって受け止める、夢を超えた夢です」とコメント。「(クリエイティブ・ディレクターとして)焦点を当てるのは、私自身がこのアカデミーに惚れ込んだ理由である創造性と芸術性の伝統。空想と現実が交差する場で、オーセンティックであること、クリエイティビティー、そして楽しさを大切にする新世代のデザイナーやアーティストを生み出していきます。彼らが持つべきなのは世界の中で自分の居場所を作るためのツールと気概。私自身がそのお手本を示していきます。そして、共に成長し、ファッションの驚きと美の感覚を再定義していくでしょう。私は、人として、アーティストとして、教師として、クリエイティブ・ディレクターとして、大胆でありたいと思っています。今は謙虚な気持ちと誇りに満ちていて、指導を始めるのが待ちきれません」と話す。

 一方、アメリカ人であるウェンの起用について、選考委員長を務めたヨハン・パス(Johan Pas)アントワープ王立芸術アカデミー学部長は、「私たちを納得させたのは、彼のあふれる創造性と強い意欲、新鮮なアイデア、そして素晴らしいコネクション。まさに、それらはこのアカデミーとファッション科が必要としているものだ。そして、根本的に国際的、学際的、革新的な人材を選んだ」と説明。「彼は教師陣や同僚と共に、国際的なファッション地図におけるファッション科の地位を高め、21世紀の中で挑戦しチャンスを手にするためにこの学科を強化してくれるだろう」と述べる。

 なお、同ファッション科は、これまでマルタン・マルジェラ(Martin Margiela)やデムナ(Demna)をはじめ、ドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)やアン・ドゥムルメステール(Ann Demeulemeester)、ベイレンドンクといった“アントワープシックス(Antwerp Six)”の6人、そして、「Y/プロジェクト(Y/PROJECT)」や「ディーゼル(DIESEL)」を率いるグレン・マーティンス(Glenn Martens)、ハイダー・アッカーマン(Haider Ackermann)、クリス・ヴァン・アッシュ(Kris Van Assche)らを輩出してきた。

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