ファッション
連載 マリエが本音で語る「私の33年目のサステナブル」

ポップアップは、どこまでサステナブルになれるのか?! Part2「私の33年目のサステナブル」Vol.27

 以前のコラムでお伝えしたように、私のブランド「パスカルマリエデマレ(PASCAL MARIE DESMARAIS.以下、PMD)」にはポップアップショップの機会が多い。そんな時は、スクラップ・アンド・ビルドが避けられない空間作りにおいてもゴミをなるべくゼロに近づけるなど、サステナブルな作り方を意識している。下北沢でのポップアップストアが幕を閉じて今チャレンジしているのは、渋谷のミヤシタパークで10月10日まで営業中のポップアップ。今回は、什器のアップデートを試みた。

 1つのブランドは、同じ什器を使い続ける場合が多い。もちろんそれも素晴らしいが、結果生まれる“あまり変わらない空間”はデザイン性が欠けがちだ。お客様にはブランドの成長と、毎回の様変わりを楽しんでほしい。そう思い、私たちは什器をアップデートした。

 前回の催事では、廃棄になるはずだった木製パレットを台やテーブルとして無造作に積み重ねた。「重たい什器は、女性スタッフだけでは動かせない」「上から吊り下げることは難しい」「期間中、さまざまに使いたい」「スタッフが座っても気にならない」「洋服のみならず、今後はアートも飾りたい」ーー。前回の問題を全て解決すべく、今回は9枚のパレットを使って移動式のパネル3枚を制作。ロックを外せば力を入れなくても移動できるパネルは、期間中頻繁にディスプレイを変える「PMD」にはぴったりだった。パレットの板をランダムに取り付けたカンジもちょうど良い。フックをつければ、額やポールなどを両面にディスプレイできる。最強の“リユース什器”が完成した。

 ここまで什器の形を毎回進化させると、その度に自分自身のサステナブルへの挑戦のモチベーションがまた上がる。ちなみに今回は、余った材料でブランドロゴ入りのハイチェアまでできた。今後は、家具のレンタルも考えたい。

 今回のポップアップのテーマは、ショップのウィンドーに大きく書いた「地球は汚れてしまった。この街はどう?」という強いメッセージ。そこに可愛らしいプラスティックモンスターのキャラクターを描いた。お客様が「何事か?」と足を止めてくださり、身の回りの一つ一つからサステナブルなアクションをとって欲しいという願いを込めた。是非一度、進化していく「PMD」の空間へのチャレンジを体感して欲しい。

■「パスカルマリエデマレ」ポップアップストア
住所:東京都渋谷区神宮前6-20-10 MIYASHITA PARK South 1F S110区画
期間:10月10日まで
時間:11:00~20:00

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