ビジネス

「I.W.ハーパー」など日本の洋酒ビジネスに異変 コロナ禍でディアジオ ジャパンが事業拡大の決意

 200以上のブランドを手掛け、世界180カ国に販売網を広げるイギリスの大手酒造企業ディアジオ(DIAGEO)の完全子会社ディアジオ ジャパンは、プレミアムブランドの輸入販売を5月1日からスタートし、日本のビジネスのさらなる拡大を目指す。

 同社が手掛けるのはバーボンウイスキーの「I.W.ハーパー(I.W.HARPER)」、リキュールの「ゴディバ(GODIVA)」、テキーラの「ドン・フリオ(DON JULIO)」、ジンの「タンカレー(TANQUERAY)」など。日本未上陸ブランドの新規取り扱いはなく、これまでキリンビール、MHDモエ・ヘネシー・ディアジオ、日本酒類販売が手掛けていたディアジオの一部のブランドが、ディアジオ ジャパンに移動するかたちだ。3社とのパートナーシップは今後も継続し、相乗効果や総合力を高める狙いがある。また、これまでディアジオとキリンビールの合弁会社キリン・ディアジオが担っていたプロモーションとマーケティング事業もディアジオ ジャパンが引き継ぐ。

 同社の新オフィスがある東京ミッドタウンで行った記者会見で、カイリー・ウォールブリッジ(Kylie Wallbridge)=ディアジオ ジャパン社長は「日本において、輸入ウイスキーを除く輸入プレミアムスピリッツは2ケタの成長を見せており、主にジン、ウォッカ、テキーラがけん引している。当社が取り扱うブランドは、歴史とイノベーティブな文化を持つものばかり。日本の洋酒市場はさらに拡大できる可能性を秘めている。今回の事業拡大は、この野心を実現する第一歩だ」と語った。コロナ禍で料飲業は大きな影響を受けているが、「新事業を開始する適切なタイミングではないかもしれないが、当社の強みは変化に迅速な対応ができること。今の状況が落ち着いたときの需要の拡大に期待している」と説明した。

 同社によると、コロナの影響で料飲店向けの業務用の売り上げは減少したものの、家庭用の需要が伸びたことから、昨年の売り上げは前年を上回ったという。今年の営業目標については、コロナの収束が見通せないこと等から公表は控えた。今の苦境を乗り超えることができるか注目だ。

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