ファッション

写真家・若木信吾による「リーバイス」“501 DAY”の広告撮影を被写体としてリポート

 「リーバイス(LEVI'S)」は、5月20日の“501”の誕生日(リベットの特許申請が1873年の同日に受理された)を祝う“501 DAY”に先駆けて、写真家・若木信吾が撮り下ろした写真を使った広告キャンペーンを4月23日から行う。2020年に続く第2弾で、新たにミュージシャンや古着店店長などを撮り下ろした。そして、大変光栄なことに「WWDJAPAN」のデニム担当である僕もその中の1人に選ばれた。ここでは撮影日の様子と若木さんへのインタビューを掲載する。

WWD:2日間で28人を撮影すると聞いた。連続して“青い”モチーフを撮ることになるが、気を付けていることは?

若木信吾(以下、若木):確かに青一色とも言えるが、その中にある“濃淡”を表現したいと考えている。企画コンセプトの通り、“501”とひと口に言ってもはく人やはき方によって色落ちや表情は千差万別だ。そのため、背景となる壁面も特別にオーダーした。濃い色のジーンズなら水色の前、三澤さんのように淡い色のジーンズなら白の前で撮るようにしている。

WWD:若木さんがスタジオに陣取りそこに被写体が次々とやって来る、定点観測とも言える撮影方法だ。

若木:僕としては定点観測ではなく、むしろロケの気持ちでいる。そのため壁面は夏、もっと言えばキューバをイメージした。スタジオも密にならないようにという狙いもあるが、なるべく大きなところを押さえてもらって、そこでもロケ感を出した。

WWD:今回の撮影では何を切り取りたい?

若木:日本人の、それもモデルや芸能人ではない一般の方の自信にあふれた表情=強さを撮りたかった。その点、私物の“501”で登場いただくというのは奏功していると思う。

WWD:とはいえ、中には緊張する人もいるのでは?

若木:そんな時でも“その人らしさ”を見つけるのが僕らプロの仕事だ。たくさん撮ることで次第に緊張がほぐれる人もいるし、逆にどんどんかたくなってしまう人もいる。自然体を収めたいから、あれこれ撮ったあとで結局ファーストカットが一番良かったということもある。少し格好つけて言うなら、瞬時に相手を見抜く必要がある。だけど最良の一枚が残せればよいので、方法や型にはこだわらない。

WWD:型を持たないのが若木さんの型である?

若木:“「リーバイス」をはく人はこうであるはず”という先入観は捨てている。僕が誘導してしまうのもご法度だ。

WWD:昨年に続いて2回目となる撮影で意識したことは?

若木:「リーバイス」には申し訳ないが、1年ぶりの撮影で、その間多くの仕事をこなしてきたので、良い意味で昨年のことは忘れていた(笑)。だからこそフラットな気持ちで臨めたと言える。技術的なことを言えばライトの向きや壁面を昨年とは変えているが、大事なのはやはり撮る側と撮られる側の気持ちだと思う。

WWD:若木さんも今日はジーンズをはいている。

若木:特に「リーバイス」に気を使ったわけではなくて、ジーンズは僕ら写真家のユニホームとも言える存在。今日の撮影に向けて、ここ3カ月は「リーバイス」のジーンズだけで過ごした。

WWD:すごい心掛けだ。「リーバイス」のジーンズは何本所有している?

若木:10~15本。古着好きを否定するつもりはないが、誰かの型に自分が合わせているような気がするので、ジーンズは新品のリジットしか買わない。またジーンズファンには洗濯法などにこだわる方もいるが、僕にとってはあくまでユニホームなので、1回はいたら洗うようにしている。そのため、ある程度の本数が必要になる。

WWD:最後に、今日の僕の点数は?

若木:三澤さんらしく撮れたので、もちろん100点!

 なんだか最後は若木さんに気を遣わせてしまったが……、写真は4月28日から「リーバイス」のホームページやSNSで公開され、また5月11日からは直営全店舗の壁面を装飾するというので、僕もチェックしてみるつもりだ。

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