ファッション

メンズとウィメンズの複合店で覚えた違和感の正体は“年齢差”でした エディターズレター(2021年4月16日配信分)

※この記事は2021年04月16日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

メンズとウィメンズの複合店で覚えた違和感の正体は“年齢差”でした

 少し前のことですが、メンズとウィメンズを同程度で扱うブランドのショップを訪れたときのこと。店を一巡した後に軽い違和感を覚えました。なぜだろう?とよく観察したところ、それは店内で働く販売スタッフの男女の年齢差からきていました。男性は20代から恐らく50代後半までと幅広く、女性スタッフはほぼ全員が20代から30代半ば。歴史ある会社から生まれている同じ名前のブランドでコンセプトもメンズとウィメンズで共通。それなのに販売スタッフの年齢の多様性だけが男女で違う。そこに引っかかりました。

 当時40代後半だった私自身の年齢故ですがメンズコーナーの方が居心地よく、ウィメンズのコーナーは私自身が“違和感”になっている気分を覚えました。スタッフは皆優しいしプロフェッショナルであることは付け加えておきます。年齢は関係ない!それはあらゆる面で本当にそう思います。であるからこそ売り場でも男性と同じように40代、50代の女性が活躍していてもよかったはずです。

 同じことは多くの売り場の現状でもあると思います。理由は色々あるでしょうが、最大の理由は出産をきっかけに仕事を離れる女性が数多くいるからですよね。女性の労働人口が結婚・出産期に当たる年代に一旦低下し,育児が落ち着いた時期に再び上昇するいわゆる“M字カーブ”の底は年々浅くなっているそうですが、まだまだ出産を機に自身の理想や意志に反してキャリアを“諦めざるをえない”女性は数多くいます。それが歴史ある企業の売り場の光景に如実に出ているのだと思います。

 そんな売り場の光景を思い出したのは、昨日こちらの記事の記者会見に参加したからです。再就職を考える女性を支援するプロジェクトの詳細は記事でぜひ読んでいただきたいのですが、中でも印象的だったのはノルベール・ルレLVMHジャパン社長の「日本には仕事の復帰について、悩んでいる女性たちがたくさんいる。仕事かプライベートのどちらかを選ぶのではなく、2つを一緒にバランスを取っていける世の中になっていってほしいと思う」というコメントです。

 私自身、振り返ればこの2つのバランスがいいとは言えないキャリアを積んできました。後悔はないけれど若い世代にはこの言葉通りであってほしいと心から!思います。その環境を作る側になっている今は自社内でも環境整備に努める所存ですし、女性が多く働くこの大好きなファッション&ビューティの業界にも働きかけてゆこうと思います。そんなことを思う日々なのでルレ社長の“当たり前”のコメントが刺さりました。

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